2016年ウィーン便り

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2016年のウィーン便り

12月のお便り

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親愛なる皆さま

私は日本での滞在を終え、無事にオーストリアに戻ってきました。

長年利用していた東京―ウィーン間の直行便が今年の9月からなくなったので、仕方なくドイツ経由で行き来しました。

行きはミュンヘン経由。ミュンヘンの空港って小さいというイメージがあったのですが、今回行ってみたら、小さいどころか、未来都市みたいな感じで、想像を超えるほどのその巨大さに驚きました。

乗り継ぎの時間が1時間しかないのに、乗り継ぎターミナルには電車で行かないといけないので、行き先を間違っていたら大変と、搭乗券を手に握りしめて、行く先々で、係員に搭乗券を見せて確認し、やっと搭乗口に着いたのは、15分前でした。

幸い飛行機の出発が遅れていたので、ほっとしましたが、ぎりぎり‥初めて海外旅行をするような気分になりました。旅慣れているつもりでしたが、久しぶりに焦りまくった乗り継ぎでした。

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帰りは北九州空港から羽田―フランクフルト経由で帰ってきました。フランクフルトでの乗り換えは2時間もあるし、ここの空港は何度も降りたし、慣れているからと思っていましたが、なんだかこれまでと様子が違う感じ‥

手荷物検査のところでは、大きなレントゲン器のような中に入って、中で万歳してから出るといった具合で、おどろおどろしい雰囲気です。後で詳しい友人にからボディスキャナーという装置だと教えてもらいました。

レントゲン器?から出たら、女の人に呼ばれて、靴を脱げと手真似で指図をされました‥くつを脱いだら、青いビニール袋をくれたので、履くんだなと思い、青いビニール袋で、ぱたぱたと、またレントゲンに戻ろうとしたら、あっちへ行けと指図されて、ふと見ると、私の荷物がそこに積んでありました。

よくわからず荷物の方へ戻ったものの‥私の靴は????眠いので、ぼんやりしていましたが、それでもビニール袋じゃ、床の冷たいのも感じるし、このまま先に行けない!!! 私の靴はいったいどこにいったの??今何が起こっているの??

眠かったので、無口な日本人旅行者に徹していましたが、それも終わりと思い、「私の靴はどこですか?」と口を開こうとした瞬間、ベルトコンベアーに載った私の靴が、こちらに流れてくるのが見えました。

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きっちり揃えられて、ベルトコンベアーの上に載せられたハーフブーツが、のろのろとこちらにやってくる様子がなぜか滑稽に見えて、笑えました。

めでたく青い薄っぺらいビニールから解放され、ゲートへと向かいました。

フランクフルトからウィーンまでの飛行機も遅れていたようで、(飛行機にのるなり寝てしまったので、なぜ遅れたかは全然わかりませんが)結局オーストリアの家に着いたのは真夜中の1時半くらいでした。

長い長いフライトでした。

次の日、目が覚めて窓から見える景色が不思議でした。まったく別世界。私は、本当に今まで日本にいたのかな?? 夢見ていたんじゃないかな・・?と思うほどでした。

たった1日で、こんなに違う世界に連れてきてもらったんだな、と思うと、飛行機ってすごいな、と妙に感謝したくなりました。

いつも読んで下さる、親愛なる皆さま、どうか心安らかに、健康と幸せに満ちた新年をお迎えになられますよう、深くお祈り捧げます。

1年間、ありがとうございました。

ありったけの感謝をこめて。

森野由み


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11月のお便り

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親愛なる皆さま

今日は朝からどんより曇って、ずっと雨が降っています。

夕べのシャンパンがまだ残っている感じのぼんやりした頭で、のらりくらりと過ごすには、絶好のお天気です。

先日久しぶりにウィーンのオペラ座に行ってきました。

2016年にウィーン国立バレエ団に入団した北九州出身の若いバレリーナ、芝本梨花子さんが出演しているバレエ公演を観るためです。

インターネットで流れる放送では、何度か見たのですが、なかなか実際の公演を観に行くことが出来ず、舞台は今回が初めてです。

バレリーナさんに何を差し入れしたらいいのか、ああでもないこうでもないと迷って、小さなチョコレートをいろいろ選んで、詰めてもらいました。

実はこの日、私自身も午後はリハーサルがあって、ばたばたと演目も知らずオペラ座に駆けつけたので、どんな出し物か知らなく、オペラ座で演目表を見て初めて、彼女が一幕でソリストとして出演することを知りました。

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演目はウィーンオペラ座バレエ団のために演出された「Balanchine Liang Proietto」という新しいプロダクションでした。

深紅の幕が上がり、薄いクリーム色のチュチュをまとったバレリーナたちが現れました。舞台の上はシンプルで背景が薄い青色のスクリーンのみ。それだけに、踊りそのものが映えます。

一幕4場でソリストとして登場したRIKAKOさん。

キラキラとするティアラを頭に飾って、美しいチュチュを着て、妖精のように現れました。

美しく、軽々として、なんて素敵なのでしょ!!

たくさんのダンサーやバレリーナたちも合流して、華やかな舞台に、観客も湧きます。
で、このRIKAKOさん、彼女は、なんと、まだ高校生の年なのです。

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でも、舞台の上ではとても大人に見えます。

高校生というと、私は家と学校の間を、いつも遅刻しがちに通って、人生の目標なんて皆目なくて、やっと歌の楽しさに目覚めたくらいのころでした。

それが、彼女は同じ高校生の年頃と言っても、すでにこのウィーンの舞台に立ち、私たち観客を楽しませてくれるのですから、尊敬せずにはいられません。

オペラ公演や、歌い手の場合は、大劇場では毎日公演に出演するということはほとんどないのですが、RIKAKOさんはこの週、ほぼ毎日のように、舞台だったようで、厳しい世界だなと思います。

この「美」の裏には考えられないほどの、努力があるのだと思いました。

実は、私‥ここだけの話ですが、小学生のころ、バレエを習っていたことがあるんです。

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女の子ならきれいなチュチュを着て、トウシューズで美しく踊るバレリーナに憧れるのは不思議でもないと思いますが、私の場合、私の憧れとは別に、あまりにぷんぷくりんに太っていた私が少しでも痩せるのならと考えた母が、バレエ教室に送りこんだのがきっかけでした。

なぜか知らないけれど、急に憧れのバレエ教室に通えることになった私は、小さいころからピアノを習っていたせいもあって、音楽に合わせて踊るのが楽しくて、嬉しくて、夢中で通いました。

発表会もあって、きらきらしたスパンコールのついた、黄色のチュチュを着せてもらって、サテンのリボンのバレエシューズを履いて、なぜか一人で踊る場面もあって、それは夢のような時間でした。

が‥公演のあと配られた写真をみて、われながらギョッとしました。

母の想いとは裏腹に、少しも痩せた様子のない私が、黄色のドラム缶のように見えて、思い描いているバレリーナの絵とははるかに遠い姿がここにあると思いました。

その後、小学校の高学年になって、授業時間が長くなったので、バレエ教室には行けなくなってしまったのですが、これも今ではいい思い出で、少しの間でもバレエを経験できてよかったなあ、と思います。

妖精のような梨花子さんの公演はとっても楽しくて、興奮して帰宅してから、お祝いのシャンパンを開けました。「RIKAKOに乾杯

RIKAKOさん、いつまでも元気で誰よりも美しく、舞台の妖精であれ

森野由み


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10月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

昨日の夜中に雨が降ったらしく、一夜明けたら、肌寒く、枯葉が道にたくさん落ちていて、急に秋に早変わりしました。

8月の終わりから、この時期には珍しく気温の高い、よいお天気が続いていたので、意外な変化でした。

まるで、だれかが魔法でも使ったみたいです。

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天気の測定が始まって以来のあたたかい9月だったそうで、今年の冬はいつもの年より、2度くらい高い暖冬になるだろうとの予報です。

まだジェラートのほうが断然ふさわしいお天気なのに、9月に入ったとたん、秋・冬のお菓子がずらずらと店頭に並びました。

日持ちするような香辛料を使ったクッキーや、ドライフルーツのぎっしり入ったパン、または最近日本でもお馴染みになったシュトレンまで、もう出ています。

冷たい冬に家の中で、こうしたお菓子を香りの高い紅茶やコーヒーで楽しむのも一つの贅沢ですが、まだまだそんな雰囲気ではありません。

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ところでジェラートといえば、やはりイタリア

今年になってイタリアでちょっと歌わせて頂いた機会があり、10年以上の久しぶりのイタリア訪問にすっかり気をよくして、今回は小さな旅行に出かけました。

イタリアはトスカーナ地方。

シエナ・フィレンツェ・ルッカ・サンジミニアーノ・ピサなどを訪ねました。

ロマネスク様式の美しい教会をみながら、遠い歴史に想いを馳せました。

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銀色に光る葉っぱが揺れるオリーブの木が並ぶのをうっとりして眺め、なだらかに続く丘の上に、ぽつりぽつりと見える家をみて、あんなところにどんな人が住んでるのかな、なんて思ったり‥

町の中も楽しかったですが、目の前に広がる自然に溢れた詩的な光景に、改めて心打たれました。

イタリアも難民の問題が大きいと聞きますが、ウィーンほどではないな、という印象を受け、ここには、しばらく味わっていなかったヨーロッパの香りがする、とそう思いました。

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限られた時間に出来るだけたくさん見るのに、食べる時間も惜しんだほどでしたが、ジェラートだけはしっかり食べました

イタリアのジェラート、本当においしいです。食べるのに一生懸命になって、写真を撮るのを忘れちゃったほどです‥

今回は、少しですが、ジェラート以外の写真を載せます。

皆さまにも、イタリアの雰囲気を楽しんでいただければ幸いです。

それでは楽しい秋を

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森野由み


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9月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらはとても美しいお天気に恵まれているので、出来るだけ、あちらこちらに出かけています。

ぶどう畑の中を歩いたり、郊外にもたくさんある「ベートーヴェンの散歩道」をハイキングしてみたり、登山したりと、いい空気を浴びています。

オーストリアは登山できる山がいたるところにあって、登山コースもとてもわかりやすく、整えられています。

いろんなグレードに分かれた道が作られていて、私が登って行くのは、家族・初心者用のハイキングコース。道も広く森の中を気持ちよく上がっていけます。

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この前行った「雪山」という名の山の約1800mの休憩所では、まだオムツをしている小さな子供連れの家族が手入れをされた芝生の上で遊んでいました。

登山電車で降りるのかなあ、と思っていたら、しばらくするとそのまま小さな子もヨチヨチと歩いて、私たちが登ってきた道を降りて行きました。

オーストリア人の大好きな余暇の過ごし方の一つが、山登りらしいですが、こんなに小さい頃から親しむのですね。

今日もまた素敵なお天気でした。太陽は力強く輝いて、空に浮かぶ雲が青空に映えて、ぴかぴか輝いています。

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ああ、出かけたいけど、今日はいろいろやることがあるんだな‥と思いつつ、我慢。でもひと段落ついて(つけて?)、裏山に散歩に行くことにしました。

裏山に行くのはとても久しぶり。たくさんの針葉樹があって、その落ち葉が積もってできた道は柔らかく、今日みたいにお天気な日には太陽に照らされて、とてもとても良い香りがします。

ちょうど時計が17時を回っていましたが、まだまだ太陽の光は力強く暑いです。

山に入ると、うっすらとしていて、北側のほうは暗いくらい。はっと気付くと、道を間違えてしまっていました。

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いつも上がっていくのは?‥あらら、草がぼうぼうに生えていて、よくわかりません。でも先のほうに道らしきものが見えるので、こっちだったかな‥と草を掻き分けながら上がっていきました。

あまりに高くなった草に気をとられて、森林浴というよりは、サバイバル作戦みたいになってきました‥でもなんとか目的地のベンチにやっとのことでたどりついてほっと一息。

さて、ここからどうやって帰ろう?

今来た草ぼうぼうの道はちょっと避けたい感じ。

一度も通ったことのない小道がベンチの先にあるので、今回はここから降りてみよう!と、決心。

先ほどの草ぼうぼうの道とは違って、明るい開けた小道を意気揚々と降りていったのですが、突然車道に出てしまいました。これは思わぬ展開!

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ただこの車道、近くの村にある猟師さんが営むレストランに行くときに、車で何度か通ったので、これを降りていけば、家に着くはず‥と思って、車道を降りていくことにしました。

ところが、すぐに着くだろうという予想と反して、意外とかかりそうな‥そのうち、多くはなくても車もバイクも通るので、だんだん早足 → 小走りになっていきました。

赤い車がそばを比較的ゆっくり通りました。白髪のエレガントなおば様が運転していて、指で、下のほうを指したように見えました。

道なりに白い線が描いてあったので、そこから出てはいけないということなのか、と思い、「わかった」というつもりで、手を上げて返事しました。

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すると、その赤い車が、少し先で止まりました。“手を挙げたくらいではわからなかったのかな‥?”と近寄ってみると、

“どうしたの、あなた、こんなところ歩いて。危ないわよ。乗りなさい!!”

と声をかけてくださいました。

車に乗ってからいきさつを話すと、“私もこの前、迷ったのよお‥”なんて話して、笑いました。

エレガントなおば様はお友達が退院してきたので、お見舞いにひまわりのお花を持っていくところだと話してくれました。

10分くらいして下までついて、そこで降ろしてもらいました。

森林浴が思わぬ結末を迎えましたが、人の心の温かさに出会えた素敵な散歩になりました。

ほのかに金色に染まりだした青空がますます光って見えました。

みなさま、どうぞお元気で。

森野由み


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8月のお便り

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親愛なる皆さま

日本の夏、いかがおすごしでしょうか?

おかげさまで、私は元気に、日本でのおつとめを終えることができ、無事にオーストリアに戻ってきています。

こちらは今年は特別過ごしやすい夏で、心地よい毎日です。

今朝‥珍しく早くに目が覚めてしまいました。

外はすでに太陽が輝いています。

窓をあけてみると、びっくりするほどの静けさでした。

朝早いから? それとも日曜日だから?

何一つ物音せず、小鳥の鳴き声もしません。

日曜日だから、小鳥も寝坊しているのかな‥? それとも、すでにどこかへ飛んで行ってしまったのかな‥? そんなことを考えたら、おかしくなって眠気もどこかへ行ってしまいました。

“早起きは三文の徳”こちらにもそれに似たことわざがあります。

夏の長い日を有意義に過ごすためにも、いま目が覚めたのは大きなプレゼントみたいなもの!!

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外の空気はひんやりして冷たいので、暖かいひざ掛けと、お茶とコンピューターをもって、ベランダに出ました。

それにしても不思議なくらいの静けさ。

花も、木も、木の葉も、草も、道のアスファルトも、森も、空気も、畑も、空も、そしてこの高い空の向こうに広がっているであろう壮大な世界すべてが溶け込んでいるような、ひとつひとつのものがまだこの世での役割にまだ目覚めていないような、そんな気がしてきます。上も下も右も左も、どこにも境がないような‥

そしてその空気の中にいるこの私。

明らかにこの自然、この世界の一部分でしかない、いや、この一部分でいられる幸せ。

‥と、ちょっと寒くなってきました。

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こうやってベランダを楽しめるのも、今だけなので、多少肌寒かろうと、夕方も半ばやせ我慢して、ひざ掛けをだして「できるだけ外を満喫」するのですが、この朝の冷え込みは、身にしみます。

ベランダをあとに、退散するとします。

あまりに冷えたので、もう一度ベッドに戻ろうかな‥?

いや、せっかく早く目が覚めたのに、もったいないな‥ でも、今日は日曜日だし‥ うーん‥この後、どうしたかは、みなさまの想像にお任せいたします。

それではみなさま、夏バテされませんように!

追伸 北九州が初開催地となったユース・ダンススポーツの国際大会の華麗な様子が主催者様のホームページに紹介されています(こちらから)。私も「国歌」と「花はさく」を歌わせていただきましたが、その様子が出ています。ご覧いただけたら幸いです。

森野由み


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7月のお便り

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親愛なる皆さま

私はおかげさまで約2か月間の日本での滞在を終え、無事にオーストリアに戻り、「もみの木の枝」が風に揺れるのを聞いています。

ちょうど私がこちらに戻ってきた日に、台風のような嵐がやってきていたようで、そのせいで、気温がかなり下がっています。

少し肌寒いくらいですが、蒸し暑いと感じていた九州から戻ってきたばかりなので、ちょうどいいくらいで、ホッとしています。

今回の帰省では、本番が少なかったので、久しぶりにのんびりした帰国だな‥と思っていましたが、実際は、毎日、たくさんの方に会ったり、あちこちに連れて行っていただいたり、練習があったりで、休みのない2か月となり、非常に充実した日々を送ることが出来ました。

北九州の響ホールのフェスティバルで、オペレッタの「メリーウィドー」に出演させて頂いたり、病院での慰問のコンサート、ファンクラブの第1回目のお茶会もありました。

東京では、「熊本震災チャリティーコンサート」を務めさせて頂いたりしました。

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こちらに発つ直前は、北九州で開催されたダンス・スポーツユース世界大会で、国歌(独唱)と「花は咲く」を歌わせていただきました。

日本での開催は初めてのことで、世界5各国の候補国の中から、日本の北九州が選ばれたのだそうです。

私はサッカーが好きで、主にTV観戦ですが、よく観ます。マッチの前に演奏される国歌斉唱を聴くたびに、一度、国歌を歌ってみたいと思っていました。

こちらで私が聴く国歌って、ドイツ国歌が多いんですね。オーストリアは残念ながらサッカーが弱く、出る幕なし‥ドイツ国歌はハイドンが作曲したものを使っていて、いい曲なんですよ。流れてくると、思わず一緒に歌います。

・日ごろよく聴く国歌 = 一緒に家で歌える国歌 = ドイツ国歌 (サッカー大会のときだけですが)

・君が代を聴く機会 = ほぼない = 一緒に歌ったのは小学校以来

なのに、いつ、どこでなにがどうなったのか、国歌を歌いたいという気持ちがどこかに湧いていて、このお話しがあった時には、だから、即答で、お受けしました。

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とっても楽しみに受けたこの国歌独唱。

ところが、だんだん上の図式が頭の中によぎって、実は、君が代って、そうとうの長い間、聴いたことも口にしたこともないではないか!ということに気づきました。

毎日、家で君が代を練習して、まあ、でも日本人ですから‥なんとかなるかと迎えたその日。

こういうイベント的なものも初めてで、戸惑うことが多く、スタッフさんたちもご自分たちの持ち場で手一杯と見えて、私に出ていくタイミングだとか、歌い始めるタイミングだとか指示がでません。

えええ??‥よくわからなーい こんなので、歌い始めていいの? と半ば気おくれがちにはじめてしまった国歌独唱。

うーん。こんなはずではなかった。息が足りないような気がして、息継ぎできると思われる場所では、息継ぎしてしまいました‥

気を取り直して二日目。もう一度チャンスがあるのだから、今日は昨日の反省に基づいて、気おくれせずに、覚悟を決めてでるぞ!と思いました。そしたら、なぜ国歌を歌いたいと思ってたか、急に思い出しました。“日本人として生かされている感謝を歌いたい”‥そう思ったからではないか‥と。

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外国にいると、本当に日本人でよかったと思うことがたくさんあるんです。これまでの多くの日本人の努力と誠実な働きが、今の外国にいる私たち日本人に対しての高い評価なんだろうと思うと、私もまた、あとに続く人たちのために責任を感じます。

そうだった、そうだった‥いざ、ゆかん!!

と思っていたら、すらりと背の高い非常にエレガントな主催の方が現れ、“今日は私がエスコートしますから”とおっしゃるではないですか!

これ以上望むことはないわけで、2日目は、おかげさまで、国歌も息継ぎもすることなく、思いを込めて歌いきいりました。

ま、ちょっと思いを込めすぎたかな‥

ドイツ国歌は、いつも楽隊と一緒で、無伴奏というのを聴いたことがないのだけど、「君が代」は無伴奏が普通なんですってね。知りませんでした。

「君が代」を歌うということを通して、新しい、いろんなことを学ばせていただきました。

この素晴らしい機会を与えて頂いたことを、感謝するばかりです。

みなさま、夏バテされませんように

森野由み


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6月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがおすごしでしょうか?

今月、日本に戻っています。

この時期に戻ることはあまりないので、珍しい景色を楽しんでいます。

先日は、知り合いの方から電話があって、“蛍がでているので、見に来ませんか”とお誘いを受けました。私の住んでいるオーストリアの田舎でも蛍がやってきますが、もっと遅い時期にでてくるので、日本では今頃見えるのかと不思議でした。

しかも、日本で蛍なんて、小学校の林間学校で見たくらいの記憶しかありません。

満月の光が、植えられたばかりの田んぼの水に映り、カエルの大・大・大合唱を聴きながら、蛍を見ました。平和な日本の抒情を心から楽しみました。

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今回はラッキーで、この最初の蛍訪問のあと、もう一度蛍を観る機会に恵まれました。

今度は、もっとたくさんの蛍。こんなにたくさんの蛍見たことがありません。

川のせせらぎ、竹林の中を行ったり来たりする蛍の光‥

オーストリアの私の家の周りだと、シェークスピアの「真夏の夜の夢」を思い出しますが、日本では、蛍の光を愛でる平安時代のお姫様になったような気分がしました‥

久しぶりのこの時期の日本。楽しみたいと思っています

みなさま、お元気で

近日中に「最近のトピック」に、6月5日に初めて開いた「北九州でのお茶会」の模様を掲載いたします。こちらも読んでいただけましたら、幸いです。

森野由み


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5月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでしょうか?

一足先に春を告げる「日本の桜の見事さ」を伝える記事を、こちらの雑誌で読みました。

オーストリアも、さくらんぼの花が散り、りんごの花が咲きだし、あたり一面甘い香りでいっぱいの春爛漫の日々でしたが、雪が降るほど冷え込み、また手袋や毛布を出したり、暖房を入れたりしています。

今日は久しぶりにお天気になり、太陽が顔を出した分暖かくなりました。

また明日からはお天気が崩れるということなので、さわやかな風に誘われるようにして、自転車にのって、隣の村まで行くことにしました。

実は、自転車に乗るのはそんなに得意ではなく、まっすぐ走る分にはいいのですが、曲がったり、坂を下りたり、急に道が細くなったりすると、かなり怪しい感じになります。

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東京で一度乗ったときは、積み重なったごみ箱に突入して、お店の人がびっくりして出てきた思い出が、何かの折にふっと蘇ってきます。

しかし、私が住んでいるこのあたりは、サイクリングコースがあるくらい環境に恵まれたところだし、間違って突っ込むところは、畑が多いので、「自転車乗れない」などと言って避けているのももったいなく、がんばって挑戦しています。

隣の村までは、ほぼ平坦なまっすぐな道。

まだ少々、風は冷たいものの、明るい光に満ちた緑の中を走るのはとても気持ちいいです。

森の裾に広がっている畑は、耕された土色の部分と、すでに若草に覆われている部分とのコントラストが美しく、遠くに見える山の上にはまだ白い雪が目立ち、鳥たちは喜びにあふれた音楽を奏でます。

何しろ、慣れた道なので、あっちこっち、多少のよそ見も大丈夫

坂道も、調子に乗って、スピードを出しちゃいます

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今週と来週は、隣の村で、年に数回だけ開く農家のレストランが開いているので、そこが終着点。今日はケーキを持ち帰りにして、また家へと自転車をこぎます。

お天気がいいので、ベランダで、おやつの時間

急いで家に戻ってきて、鍵を出そうと思ったら、ない?

鍵を入れたつもりのジャケットのポケットのジッパーは開いたまま‥

これは調子にのってスピードを出して、どこかに鍵を落としたのかと、まっさおになりました。

が‥ふとドアを見ると、なんと、鍵がささったまま‥

なんと、鍵をさしたものの、閉めずにそのまま出かけちゃったわけです。

がーん‥

“私もぬけとーねぇ”と、こういう時は、日本語で、しかも北九州弁が思わず出てしまいます。ちなみに「ぬけているね」という意味です。

でもこの素敵なお天気に、気を取り直して、コーヒーを淹れて、おいしいケーキを食べました。

みなさま、素敵な5月をお迎えください。

森野由み


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4月のお便り

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「森の中をいつものように散歩していた。

馨しい香りがほのかに漂う春に目覚めたばかりの森には、あちこちに小さな花が、彩りを与えていた。

森を奥のほうに歩いていくと、木陰に、男の子が寝ているのがみえた。

こんなところに‥と思ってそっと近づいてみると、すやすや寝ているその子のなんとかわいいこと。

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白い肌に、ピンクのほっぺた。くるくるの金色の巻き髪。

なんとなく見たことがあるような、そんな気もする。

絵に描いたような美しさにため息が漏れた・・・

その瞬間、その子の目がぱちりと開いた!

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しまった、起こしてしまった。

慌てて、その場から離れた。

手には矢と弓を持って、飛ぶように追いかけてくる。

追いつかれてはいけない、もっと早く逃げてしまわなければ!

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その時、胸になんともいえない痛みが走った。

‥ああ、矢が胸を突き抜いてしまった。

気が遠くなる中、その子の声が聞こえた。

『さあ、立ち上がれ。そしてあの人の前に行ってひざまつき、一生の愛を誓うのだ。お前の人生をその愛に捧げるがよい。これは、僕のことを再び起こした罰なだ。』

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春、春、花の季節、恋の季節、新しいことが始まる季節。

皆さまの春はいかに???

森野由み

作者不詳ですが、1800年代にフランス人の詩人が書いたとされる詩です。

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3月のお便り

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親愛なる皆さま
こちらは、小鳥たちが春を告げる歌を、あちらこちらでさえずっています。

まだまだ風は冷たくて、手袋も手放せない毎日ですが、お天気がよく、太陽が淡い色の空に暖かく輝く日には、春を身近に感じます。

皆様はいかがお過ごしでしょうか?

先日、日本から嬉しいお便りが届きました。

故郷の北九州では、時々、小学校に訪問演奏にうかがうことがあります。

最初のうちは、初めて聴く「変な声の歌」への子供たちの反応に、私の方が戸惑いを感じて、どうしたらいいかわからないこともありました。

しかし、回を少しづつ重ねていくうちに、アドヴァイスを頂いたり、工夫できることも発見できて、今では、この学校の訪問演奏会をとても楽しみにしています。

去年の冬にも、北九州市の二つの小学校を訪問しました。

1時間のコンサートの中では、子供たちからの質問を受けて、いろいろ話す時間も取るのですが、恥ずかしがって質問しないかと思いきや、とても熱心で、また高度な質問が飛び出てくるのに、びっくりします。

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たとえば、「息がくるくる回っているように聞こえるのは、どうしているのか」とか、「どうやったら高い声がでるようになるの?」「歌うときに特に気をつけることは?」とか‥小学校4年生ですよ。本当に感心します。

特に息の使い方についての質問は多く、去年のコンサートの際には、ちょうど付き添いでいらしたフルートの先生に、お手本をお願いして、息を吸って頂いて、カエルのように膨らんだ、ぽわぽわの大きなお腹を、子供たちみんなで触ったりして、楽しく時間を過ごしました。

そんな子供たちから、お手紙-感想文-が届きました。

子供たちがそれぞれに、感想や質問を書いて、また色鉛筆やマジックで、おまけの絵を描いてくれたり、深い想いに心を打たれます。

私もお返事を書きました。

もう二度と会うこともない子供たちもいるのでしょうね。

それとも、どこかでまた会うこともあるのでしょうか??

子供たちがすくすくと大きくなって、どうか幸せな人生を歩むことが出来ますように。そして願わくば、どんな音楽でもいいから、人生の友達となりますように!!

心を込めて 森野由み


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2月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしですか?

あんなに積もっていた雪もすっかりとけて、いい陽気になりました。

こちらの冬は家の中の暖房が充実しているので、家中どこにいても、とても快適に過ごせるのですが、その頼みの暖房が1月半ばになって壊れてしまいました。

ちょうどマイナス10度くらいの冷たい日が続いていたときでした。

こういう場合、日本みたいに、すぐには対応してもらえず、何にでも時間がかかるのが、こちら風。やっと修理の人に来てもらってみてもらったものの、修理ですむどころではなく、給湯のボイラーそのものを替えなければいけないらしいということになりました。

ところが、ちょうど、週末をはさんでしまったので、一旦ここで、作業は中止。週が明けてから、また改めて、修理・電気屋さんに来てもらって、新しい器械の紹介と見積もりを出してもらうことになりました。

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機器はザルツブルグからの取り寄せ、それから工事の日を取り決めることになり、待つのは仕方ないことだろうと覚悟は出来ていましたが、冬眠したくなりました。

昔、ドイツ語を教えてもらっていたオーストリの田舎に住む先生に、そんなことを電話で話していたら、「じゃあ、ちょっとレトロなロマンチック暮らしなのね」といわれました。

ま‥確かに。しかもそのずーっと昔に比べれば、便利なわけですよね。水を川や井戸に汲みに行かなくてはいけないわけでもないし、かまどに火をおこして、お湯を沸かさなきゃいけないわけでもないし‥

冬眠したいといいつつ、ふわふわの雪に誘われて外に遊びにでると、こんなに寒くても小鳥たちが元気にさえずっていたりして、早く春にならないかな、と思いました。

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深い冬から、春が目覚める時の劇的な美しさには、いつも新鮮な驚きがありますが、レトロ生活が始まってから、いつも美しいと思う雪がなおさら美しいと感じ、春への憧れはまし、それがほんわかとした希望となりました。

それにおもしろいもので、リズムがつかめると、このレトロ生活にもだんだん慣れてくるもので、人間ってたくましいものだなあ、とも思いました。この少々不便な制約のある生活を通して、こんなに新しい発見をするなどとは思いませんでした。

空は青く広く晴れ渡り、太陽に照らされた真っ白な雲は足早に流れていき、吹き抜ける風はかすかな春のあたたかみを運んできます。

本格的な春までにはまだ時間がかかるでしょうけれど‥楽しみです。

みなさま、どうぞお元気で

森野由み


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1月のお便り

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親愛なる皆さま

あけましておめでとうございます

お正月、いかがお過ごしでいらっしゃったでしょうか?

オーストリアの元旦は新雪と共に、やってきました!

大晦日の夜中の花火は、珍しいほど緩やかな気温の中で、ゆっくり見ることが出来たのですが、一夜あけたら辺りは、真っ白。

眩しい光に満ちた元旦の朝に、感激しました。

ふわふわの雪で覆われた庭に下りていくと、いろんな足跡がついていました。

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これは猫だな、とか、これは小鳥、これは鹿!なんて思いながら、足跡をたどります。この足跡たちが時々思わぬ方向に行っていて、ちょっとした探偵ごっこです。

「ねーこはコタツでまるくなる♪」だとずっと思っていたのですが、この辺の猫は寒くなってからも、庭の中をうろうろしているのが普通で、雪の降った今朝もずいぶんとうろうろしているのが、この足跡からうかがえます。

振り返ると、動物たちの足跡を追って歩いた自分の足跡もあちこちについていて、何かの大移動があったかのようで、おかしくなります。

空から眺めたら、もっと面白いだろうなあ、と思ったら、急に、雪の上にメッセージを書きたくなりました。

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そうそう、とっても珍しいものを庭の松の木になっているのを見つけました。
MISTEL(ミステル)といわれるものです。

新年、こちらでは常緑樹の枝をまとめたものをドアにかけたりしているのをよく見かけます。その中に、このMISTELもよく飾られています。

寄生植物だそうで、昔からいろんな病気を治すための薬草のひとつとして使われていただけでなく、「長い生命」「豊饒」の神聖なシンボルとして、大事にされてきたそうです。

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今でも、MISTEL の神聖な力は引き継がれていて、私の住むこの辺りでは、幸運をよぶということで、入り口に飾られています。

イギリスでは、クリスマスの日にMISTELの下に立っている女の子にはキスをする、という伝えがあり、フランスでは、新年に、MISTELの下にいる人はみんなにキスの贈り物をする、という言い伝えがあるのだそうです。

なんとも微笑ましいですね。

ヨーロッパでは現在、文化の違う民族の共存が非常に大きな課題になっています。

町にでてみると、それは、ただの報道上のことだけでなく、お店の中、駅の中、乗り物の中など、日常の中で肌身に感じます。

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自分たちの文化・考え方・習慣・伝統を本当に大事にしながら、他国の民族をどう受け入れるのか、また受け入れられる民族は、まったく違う文化をどう学んでいくのか‥

言葉や国境を越えて伝えていける想いがあると、そして世界中の人間で、大事にしていけるものを見つけられはしないか‥

そして、未知で不可能と思われることも、この眩しい雪の光の中にいると、可能ではないだろうかと、希望で満たされる気がしました。

みなさまのこの1年が、健康と幸せでいっぱいでありますように。

祈りをこめて。

森野由み

  • 2009年の年末にウィーンを訪ねて以来、ウィーンの薫高い話題と味わい深い文章に溢れたこちらのブログを度々訪問させて頂いています。

    今回のウィーン便りで、そうだったんだ、と合点が行きました。
    シュベヒャート空港へ向かうタクシーの中から見える街路樹にひっかかっているアレは何?鳥の巣??タクシードライバーに訊いてみても首を傾げるだけでした。そうか、ヤドリギだったんですね。Wikiによれば、“全体としては、半ば宿主の枝から垂れ下がって、団塊状の株を形成する。宿主が落葉すると、この形が遠くからでも見て取れるようになる。”とあります。冬の枯木立で一層目立っていたのですね。数年来の謎が解けてスッキリしました。

    今年こそは日本でなさるコンサートにお邪魔したいと思っています。暖冬だった日本もいよいよ寒波襲来です。どうぞご自愛下さい。
  • 嬉しいコメントありがとうございます!!!!!コメントをいただいているのを見つけて、嬉しくてはしゃいでいます。
    3月になった今頃、コメントを頂いていたのに気付きました。のんびりしすぎていますね。すみません・・・
    裸になってしまった木に、何やらもじゃもじゃついている光景は気になりますよねぇ。私の住んでいる田舎は、そんな木がたくさんあって、森の中を散歩すると、時々、ヤドリギが道に落ちていることがあります。そういう時は、「宝くじ」に当たった気分で拾ってきて、玄関の表につるしたりします。年末年始は、こちらの花やさんでも買うことができます!

    それでは、お元気で! -- 森野由み 2016-03-09 (水) 18:38:29

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