2014年ウィーン便り

2014年のウィーン便り

12月のお便り

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親愛なる皆さま

今年も最後の月となりました。

今年一年、皆さまは、いかがお過ごしでしたでしょうか?

私はおかげさまで無事に1年を過ごす事ができました。コンサートでもたくさんの方々にお目にかかる事ができましたし、音楽を通じてごあいさつできて幸せでした。

今年残るコンサートも心を込めてつとめさせて頂きたいと思っています。

楽しいクリスマスと、心安らかに新年をお迎えになられますよう、お祈り致します。

今年も1年ありがとうございました!

心からいっぱいの感謝と愛を込めて…

森野由み


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11月のお便り

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親愛なる皆さま、どんな秋をお過ごしになられているでしょうか?

こちらは暖房をいれて生活する気候になりました。

私の住んでいる町では暖炉を使っている家が多く、この時期、町がすっぽりと暖炉の煙に包まれているときがあります。独特のにおいがあって、このにおいがすると、なぜかしみじみとして、冬が来たんだなあ・・と思います。

暖炉というと、みなさまはどんな暖炉を思い浮かべるのでしょうか?

やはり、サンタクロースが降りてくるあの暖炉でしょうか?

オーストリアのお宅には、ああいったタイプのものよりも、KACHELOFENといわれる陶製のタイル張りの暖炉がスタンダードです。この暖炉の暖かさがとっても優しくて、心地いいのです。

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何か柔らかいものにふんわりと包み込まれているようなそんな優しさです。

暖炉の周りに取り付けられた椅子に座れるようになっているものもあって、日本のコタツではないけれど、一度座ると離れがたい感じです。

その昔、王様や女王様がいた時代からこのタイプの暖炉はあったようで、宮殿に観光にいくと、部屋の片隅に、備え付けてあります。一見、ずいぶんとおしゃれで派手な置物の様で、暖炉とは気づかないほどです。

‥暖炉を焚いているにおいがすると、日本での私の活動を力強く応援してくださる中のお一人にメールを送ったら、「暖炉ステキです! 同じように時間が流れているはずなのに、そちらではゆっくりと豊かな時間が過ぎているようです。」とお返事が返ってきました。

このお返事を読んで、はたとしました。

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時間ほど規則正しく進んでいるものはなくて、約束の時間という点にあわせて、下手すると慌しく生活しているのですが、果たして時間の-刻みと刻みの間-というものを格別に意識している瞬間がどのくらいあるでしょうか‥

豊かな時間‥人それぞれ受け止め方があると思いますが、私はこのお返事を頂いたときに、この刻まれていく時と時の間を感じられる、という喜びをもっと大事にしなきゃなあ、と思いました。

それがほんの何秒かでも、ふんわりと包んでくれる暖炉のあたたかさのように、私も喜びでふんわりと包んでいられる「時」を作りたいと、そう思います。

それでは皆様お元気で!

森野由み


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10月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

黄金に輝く秋がやってきました!

遠くに見える山々の色がいつもの落ち着いた緑色から、鮮やかな秋色に変身しています。

道を歩くと、白樺の小さな葉っぱがくるくると舞い落ちてきて、思わず、どれも手で受けたくなります。

森の中を流れる川は、やさしくきらきらした陽の光に、底のほうまで照りだされ、その上を清らかに澄んだ水が、滑るように流れていきます。

いつもとちょっと違うように見えるのは、水が連れて行く色とりどりの葉っぱの精ですね。川の流れにのって、みんなでおしゃべりしながら旅にでているような、そんな賑やかさがあります。

川のほとりに立ってそんな様子を眺めていると、なんだか別の世界・・・メルヘンの世界にでも舞い込こんだような気になります。

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今年、ウイーンに来て初めて「宮廷家具博物館」に行ってきました。

ウイーンに来て長いですが、そんなものがあるということも知りませんでした。
王宮や、ほかの博物館でも家具は見ることができるので、そんなものだとばかりおもっていました。さほど家具に興味があるとか、何かで調べる機会があったとかいうこともなかったので、考えが及びもしませんでしたが、皇帝がいた時代から、宮廷付の家具師たちがいたのは、当たり前といえば当たり前ですよね。

なぜそんな博物館に行くことになったかというと、たまたま今そこでやっている特別展覧会に興味を引かれたからなのですが、この家具博物館が、王宮などの一角にあるのではなくて、いわゆる庶民の町の、しかもよく使う地下鉄の駅のすぐそばにあるというのも気になりました。

博物館の存在に気がつくこともなく、今まで何度、行ったり来たりしたことでしょうか!

実際に訪れてみると、博物館は、人の行き来が多いショッピング通りの道に面した入り口を、ずいぶん奥のほうまで行ったところにあり、途中素敵な中庭がありました。

博物館の中は文字通り、家具だらけで、一生のうちで、これほどたくさんの椅子を見たことがありません。燭代、絢爛豪華な鏡、タンスなどのほかに、皇帝の時代からユーゲントシュティールのまでの寝室や、仕事部屋なども再現されていて、時代と共に家具もだんだんに変わっていった様子がよくわかり、楽しかったです。

また、オーストリアのフランツ皇帝とエリザベス妃の恋物語が描かれた有名な映画「シシィ」の撮影の際に使われた家具なども見ることができるようになっていました。

特別展は、18世紀に作られた「貼り絵の絵本」でした。全部で19枚の絵からなる絵本となっていて、絵本といっても1枚がかなり大きく立派な絵だといえます。

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ドイツのアウグスブルクという町に住んでいた、宝石商人の娘、レギーナ・バルバラ・ヴァルターという人が作ったもので、当時の街の様子、また家の中、暮らしぶりなどがわかります。

面白いのは、そのひとつひとつ、たとえば、人物からお皿、部屋の中の窓や、階段などがピースになっていて、それを貼りあわせて一枚の絵となっているのです。当時は子供たちが、家事のノウハウをそんな風に遊びながら学んだそうで、今回の展示品のようにきれいな形で残っているのは珍しいのだそうです。

「ひとつの遊び」とはいっても、つくりは凝ったもので、たとえば部屋の中のドアが開くようになっていて、あけてみると人が立っていたり、その奥の様子が見えるようになっていたり、タンスの扉を開けると、きちんと中身もありました。

一つ一つのパーツを貼ってあるので、立体感があって、当時の「3D」といったところでしょうか‥

秋の1日を、博物館でとても楽しい時間をすごしました。

みなさまはどんな秋をお過ごしになられるでしょうか?

それではどうぞお元気で。

森野由み


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9月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

ウィーンは昨日から雨続きで、すっかり気温が下がってしまっています。
夏の格好ではもう寒くてとても出かけられず、手袋も用心のため、かばんに入れておこうかなあと、思うほどです。木々の葉も、ところどころ、秋色になりかかっていて、もう夏は過ぎてしまったのかなと、すこし寂しく思います。

先日東京の銀座にある王子ホールというところで、リサイタルをさせていただきました。今回は珍しいお客様をゲストとしてお迎えしての特別コンサートでしたが、たくさんの方々の応援、お力と、銀座という場所柄もあってか、たくさんの方々に聴いていただくことができました。

リサイタルに来てくださった、たくさんのお客様たち、そしてこれまでいつも変わりなく支えてくださる皆様、この場を借りて、心から深く感謝申し上げます。

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時間を作ってくださって、聴いてくださるだけで、十分ですのに、たくさんの素敵なプレゼントまでも頂きまして、重ねてお礼申し上げます。

今年は、故郷の北九州の方でもコンサートをさせて頂けるということで、今からとても楽しみにしております。日にちは11月29日の予定です。

プログラムは、「ウィーン音楽物語」と題して、ウィーンの街を歌で綴るオールウィーンのプログラムにしようと考えています。

偶然にもウィーンでこういうウィーンの歌を特に得意として活躍していらっしゃる日本人のピアニストさんに伴奏をお願いできそうなので、とても楽しみです。

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北九州でのコンサートについては、詳しいちらしなどできましたら、改めて、お知らせさせていただきます。

また、皆さまにお目にかかることができれば、幸せです。

最後になりましたがコンサートを開くにあたって、お力下さったたくさんの方々に、心からお礼申し上げます。 ありがとうございました。

心をこめて。

森野由み


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夏休みのある一日

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オーストリアのいなか組 もりの ゆみ

ウィーンから南へ、車でおよそ1時間、離れたところにあるシュネーベルク(SCHNEEBERG)という山に行きました。

シュネーベルクは約2000メートルの高さで、ニーダーオーストライヒ州では一番の大きさと高さを誇る山で、冬はスキー客、夏は登山客で賑わうところです。

今日は麓からリフトで、1200メートルの高さまで行って、そこからいざ頂上へ!

上っていく途中で、岩の上に小指ほどの風鈴草が咲いていました。

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結構、短時間で上のほうまで上ってきて、ごつごつとした岩肌をよじ登ってきたところで、休憩。

ここで、もともと私たちが目指した道と間違って、「登山に慣れた人向き」の少々難しい道を上がってきてしまったことがわかりました。

この先は、岩壁を登っていくばかりだと聞き、引き返すことにしました。

出発点に戻ってきて、よく道を確認して今度はのどかな道を歩いていきました。

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17時が帰りの最終リフトに間に合うように戻ってかなければならなかったので、道を引き帰した分、残念ながら頂上までの往復はとても無理でした。

でも高い山のひときわ澄んだ空気に包まれ、のどかな楽しい、そしてよく歩いた一日でした。

今回は「夏休みの絵日記風」にまとめてみました。

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7月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

私は、2週間ほどの短い日本での滞在から戻ってきたところです。

出かける前にまだ青々としていた麦畑はすっかり小麦色になっています。

いつか、私の高校生のころからの恩師に「ウィーンの方では日の出はだいたい何時くらい?」ときかれ、考えたところで、答えが出ないということにすぐ気づきました。

私の恩師は、夜通しで、作曲したり、編曲したりされるようで、よく「日の出」をごらんになるのでしょうね。私には、「日の出の前後」の活動というのは全然ないのです。

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でも、日本から帰ってきたばっかりの2日くらいは、日の出を見ることはなくても、早く眠くなる分、自然と早く目が覚めるという、とても貴重な時間をすごせます。

まずゆるりと起きて、お茶を飲んで、それから散歩に出かけます。

早朝の清らかで、冷たい空気がなんと気持ちいのでしょうか!

まるで夜露で洗われたかのような、新しく、みずみずしい雰囲気が辺りを満たし、小鳥たちのさえずりが高く響きます。

それでいて、この静けさ‥喜びに満ちたような静けさ‥

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生命が躍動する期待に溢れて、目覚めの時を待っているような、そんな気がします。

そして、丘の後ろにいた太陽の金色の光が、うっすらと麦畑に届くと、世界が突然輝き始めます。

そこにたった一人‥

この平和が、世界中の人々のものでありますように、と祈りをささげずにはいられません。

みなさま体調を崩されることなく夏をおすごしになられますように!

森野由み


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6月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

ニュースなどで、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらではお天気が変わりやすい毎日が続いています。

大雨や、雹が降るほどの嵐もまれでなく、私の住む町には、森の中の川沿いにすてきなサイクリングコースがあるのですが、それが大雨であふれた川に浸ってしまい「通行止め」になるほどでした。

スーパーマーケットで買い物をして、お店から出てきたら氷の粒がたくさん落ちてきて、びっくりしたこともあります。

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暦の上では6月1日から夏が始まったようですが、日中でも20度になるかならないくらいで、夕方は肌寒いくらいです。

でも最近の夏は、暑い日々もあるので、日本のように、エアコンがあるわけでもないので、このくらいの涼しさでいいかなあ‥なんて思っています。

ハイキングに出かけようかと思うようなお天気にはまだ恵まれませんが、それでもあたりはたくさんの花でいっぱいです。

うっすらと透明感のある青緑の麦の穂の畑に、はっと目を引く赤の芥子の花が美しく、バラの甘い香りも、香っています。

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ローズヒップも可愛らしい花をさせ、歩く楽しみがまします。

ウィーンの王宮にある公園(フォルクスガルテン)の薔薇も今が盛りで、まるで豪華なドレスで着飾った貴婦人たちが、その美しさを競っているようです。

この公園は、たくさんの人たちの憩いの場になっていて、私もお天気が良い日には、近くのスーパーでサンドイッチを作ってもらって、この公園のベンチで食べたりします。

おもしろいのは、ベンチが人で混んでいて、コンピューターを見ている人、お昼寝している人、本を読んでいる