2014年ウィーン便り

2014年のウィーン便り

12月のお便り

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親愛なる皆さま

今年も最後の月となりました。

今年一年、皆さまは、いかがお過ごしでしたでしょうか?

私はおかげさまで無事に1年を過ごす事ができました。コンサートでもたくさんの方々にお目にかかる事ができましたし、音楽を通じてごあいさつできて幸せでした。

今年残るコンサートも心を込めてつとめさせて頂きたいと思っています。

楽しいクリスマスと、心安らかに新年をお迎えになられますよう、お祈り致します。

今年も1年ありがとうございました!

心からいっぱいの感謝と愛を込めて…

森野由み


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11月のお便り

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親愛なる皆さま、どんな秋をお過ごしになられているでしょうか?

こちらは暖房をいれて生活する気候になりました。

私の住んでいる町では暖炉を使っている家が多く、この時期、町がすっぽりと暖炉の煙に包まれているときがあります。独特のにおいがあって、このにおいがすると、なぜかしみじみとして、冬が来たんだなあ・・と思います。

暖炉というと、みなさまはどんな暖炉を思い浮かべるのでしょうか?

やはり、サンタクロースが降りてくるあの暖炉でしょうか?

オーストリアのお宅には、ああいったタイプのものよりも、KACHELOFENといわれる陶製のタイル張りの暖炉がスタンダードです。この暖炉の暖かさがとっても優しくて、心地いいのです。

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何か柔らかいものにふんわりと包み込まれているようなそんな優しさです。

暖炉の周りに取り付けられた椅子に座れるようになっているものもあって、日本のコタツではないけれど、一度座ると離れがたい感じです。

その昔、王様や女王様がいた時代からこのタイプの暖炉はあったようで、宮殿に観光にいくと、部屋の片隅に、備え付けてあります。一見、ずいぶんとおしゃれで派手な置物の様で、暖炉とは気づかないほどです。

‥暖炉を焚いているにおいがすると、日本での私の活動を力強く応援してくださる中のお一人にメールを送ったら、「暖炉ステキです! 同じように時間が流れているはずなのに、そちらではゆっくりと豊かな時間が過ぎているようです。」とお返事が返ってきました。

このお返事を読んで、はたとしました。

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時間ほど規則正しく進んでいるものはなくて、約束の時間という点にあわせて、下手すると慌しく生活しているのですが、果たして時間の-刻みと刻みの間-というものを格別に意識している瞬間がどのくらいあるでしょうか‥

豊かな時間‥人それぞれ受け止め方があると思いますが、私はこのお返事を頂いたときに、この刻まれていく時と時の間を感じられる、という喜びをもっと大事にしなきゃなあ、と思いました。

それがほんの何秒かでも、ふんわりと包んでくれる暖炉のあたたかさのように、私も喜びでふんわりと包んでいられる「時」を作りたいと、そう思います。

それでは皆様お元気で!

森野由み


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10月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

黄金に輝く秋がやってきました!

遠くに見える山々の色がいつもの落ち着いた緑色から、鮮やかな秋色に変身しています。

道を歩くと、白樺の小さな葉っぱがくるくると舞い落ちてきて、思わず、どれも手で受けたくなります。

森の中を流れる川は、やさしくきらきらした陽の光に、底のほうまで照りだされ、その上を清らかに澄んだ水が、滑るように流れていきます。

いつもとちょっと違うように見えるのは、水が連れて行く色とりどりの葉っぱの精ですね。川の流れにのって、みんなでおしゃべりしながら旅にでているような、そんな賑やかさがあります。

川のほとりに立ってそんな様子を眺めていると、なんだか別の世界・・・メルヘンの世界にでも舞い込こんだような気になります。

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今年、ウイーンに来て初めて「宮廷家具博物館」に行ってきました。

ウイーンに来て長いですが、そんなものがあるということも知りませんでした。
王宮や、ほかの博物館でも家具は見ることができるので、そんなものだとばかりおもっていました。さほど家具に興味があるとか、何かで調べる機会があったとかいうこともなかったので、考えが及びもしませんでしたが、皇帝がいた時代から、宮廷付の家具師たちがいたのは、当たり前といえば当たり前ですよね。

なぜそんな博物館に行くことになったかというと、たまたま今そこでやっている特別展覧会に興味を引かれたからなのですが、この家具博物館が、王宮などの一角にあるのではなくて、いわゆる庶民の町の、しかもよく使う地下鉄の駅のすぐそばにあるというのも気になりました。

博物館の存在に気がつくこともなく、今まで何度、行ったり来たりしたことでしょうか!

実際に訪れてみると、博物館は、人の行き来が多いショッピング通りの道に面した入り口を、ずいぶん奥のほうまで行ったところにあり、途中素敵な中庭がありました。

博物館の中は文字通り、家具だらけで、一生のうちで、これほどたくさんの椅子を見たことがありません。燭代、絢爛豪華な鏡、タンスなどのほかに、皇帝の時代からユーゲントシュティールのまでの寝室や、仕事部屋なども再現されていて、時代と共に家具もだんだんに変わっていった様子がよくわかり、楽しかったです。

また、オーストリアのフランツ皇帝とエリザベス妃の恋物語が描かれた有名な映画「シシィ」の撮影の際に使われた家具なども見ることができるようになっていました。

特別展は、18世紀に作られた「貼り絵の絵本」でした。全部で19枚の絵からなる絵本となっていて、絵本といっても1枚がかなり大きく立派な絵だといえます。

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ドイツのアウグスブルクという町に住んでいた、宝石商人の娘、レギーナ・バルバラ・ヴァルターという人が作ったもので、当時の街の様子、また家の中、暮らしぶりなどがわかります。

面白いのは、そのひとつひとつ、たとえば、人物からお皿、部屋の中の窓や、階段などがピースになっていて、それを貼りあわせて一枚の絵となっているのです。当時は子供たちが、家事のノウハウをそんな風に遊びながら学んだそうで、今回の展示品のようにきれいな形で残っているのは珍しいのだそうです。

「ひとつの遊び」とはいっても、つくりは凝ったもので、たとえば部屋の中のドアが開くようになっていて、あけてみると人が立っていたり、その奥の様子が見えるようになっていたり、タンスの扉を開けると、きちんと中身もありました。

一つ一つのパーツを貼ってあるので、立体感があって、当時の「3D」といったところでしょうか‥

秋の1日を、博物館でとても楽しい時間をすごしました。

みなさまはどんな秋をお過ごしになられるでしょうか?

それではどうぞお元気で。

森野由み


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9月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

ウィーンは昨日から雨続きで、すっかり気温が下がってしまっています。
夏の格好ではもう寒くてとても出かけられず、手袋も用心のため、かばんに入れておこうかなあと、思うほどです。木々の葉も、ところどころ、秋色になりかかっていて、もう夏は過ぎてしまったのかなと、すこし寂しく思います。

先日東京の銀座にある王子ホールというところで、リサイタルをさせていただきました。今回は珍しいお客様をゲストとしてお迎えしての特別コンサートでしたが、たくさんの方々の応援、お力と、銀座という場所柄もあってか、たくさんの方々に聴いていただくことができました。

リサイタルに来てくださった、たくさんのお客様たち、そしてこれまでいつも変わりなく支えてくださる皆様、この場を借りて、心から深く感謝申し上げます。

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時間を作ってくださって、聴いてくださるだけで、十分ですのに、たくさんの素敵なプレゼントまでも頂きまして、重ねてお礼申し上げます。

今年は、故郷の北九州の方でもコンサートをさせて頂けるということで、今からとても楽しみにしております。日にちは11月29日の予定です。

プログラムは、「ウィーン音楽物語」と題して、ウィーンの街を歌で綴るオールウィーンのプログラムにしようと考えています。

偶然にもウィーンでこういうウィーンの歌を特に得意として活躍していらっしゃる日本人のピアニストさんに伴奏をお願いできそうなので、とても楽しみです。

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北九州でのコンサートについては、詳しいちらしなどできましたら、改めて、お知らせさせていただきます。

また、皆さまにお目にかかることができれば、幸せです。

最後になりましたがコンサートを開くにあたって、お力下さったたくさんの方々に、心からお礼申し上げます。 ありがとうございました。

心をこめて。

森野由み


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夏休みのある一日

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オーストリアのいなか組 もりの ゆみ

ウィーンから南へ、車でおよそ1時間、離れたところにあるシュネーベルク(SCHNEEBERG)という山に行きました。

シュネーベルクは約2000メートルの高さで、ニーダーオーストライヒ州では一番の大きさと高さを誇る山で、冬はスキー客、夏は登山客で賑わうところです。

今日は麓からリフトで、1200メートルの高さまで行って、そこからいざ頂上へ!

上っていく途中で、岩の上に小指ほどの風鈴草が咲いていました。

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結構、短時間で上のほうまで上ってきて、ごつごつとした岩肌をよじ登ってきたところで、休憩。

ここで、もともと私たちが目指した道と間違って、「登山に慣れた人向き」の少々難しい道を上がってきてしまったことがわかりました。

この先は、岩壁を登っていくばかりだと聞き、引き返すことにしました。

出発点に戻ってきて、よく道を確認して今度はのどかな道を歩いていきました。

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17時が帰りの最終リフトに間に合うように戻ってかなければならなかったので、道を引き帰した分、残念ながら頂上までの往復はとても無理でした。

でも高い山のひときわ澄んだ空気に包まれ、のどかな楽しい、そしてよく歩いた一日でした。

今回は「夏休みの絵日記風」にまとめてみました。

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7月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

私は、2週間ほどの短い日本での滞在から戻ってきたところです。

出かける前にまだ青々としていた麦畑はすっかり小麦色になっています。

いつか、私の高校生のころからの恩師に「ウィーンの方では日の出はだいたい何時くらい?」ときかれ、考えたところで、答えが出ないということにすぐ気づきました。

私の恩師は、夜通しで、作曲したり、編曲したりされるようで、よく「日の出」をごらんになるのでしょうね。私には、「日の出の前後」の活動というのは全然ないのです。

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でも、日本から帰ってきたばっかりの2日くらいは、日の出を見ることはなくても、早く眠くなる分、自然と早く目が覚めるという、とても貴重な時間をすごせます。

まずゆるりと起きて、お茶を飲んで、それから散歩に出かけます。

早朝の清らかで、冷たい空気がなんと気持ちいのでしょうか!

まるで夜露で洗われたかのような、新しく、みずみずしい雰囲気が辺りを満たし、小鳥たちのさえずりが高く響きます。

それでいて、この静けさ‥喜びに満ちたような静けさ‥

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生命が躍動する期待に溢れて、目覚めの時を待っているような、そんな気がします。

そして、丘の後ろにいた太陽の金色の光が、うっすらと麦畑に届くと、世界が突然輝き始めます。

そこにたった一人‥

この平和が、世界中の人々のものでありますように、と祈りをささげずにはいられません。

みなさま体調を崩されることなく夏をおすごしになられますように!

森野由み


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6月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

ニュースなどで、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらではお天気が変わりやすい毎日が続いています。

大雨や、雹が降るほどの嵐もまれでなく、私の住む町には、森の中の川沿いにすてきなサイクリングコースがあるのですが、それが大雨であふれた川に浸ってしまい「通行止め」になるほどでした。

スーパーマーケットで買い物をして、お店から出てきたら氷の粒がたくさん落ちてきて、びっくりしたこともあります。

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暦の上では6月1日から夏が始まったようですが、日中でも20度になるかならないくらいで、夕方は肌寒いくらいです。

でも最近の夏は、暑い日々もあるので、日本のように、エアコンがあるわけでもないので、このくらいの涼しさでいいかなあ‥なんて思っています。

ハイキングに出かけようかと思うようなお天気にはまだ恵まれませんが、それでもあたりはたくさんの花でいっぱいです。

うっすらと透明感のある青緑の麦の穂の畑に、はっと目を引く赤の芥子の花が美しく、バラの甘い香りも、香っています。

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ローズヒップも可愛らしい花をさせ、歩く楽しみがまします。

ウィーンの王宮にある公園(フォルクスガルテン)の薔薇も今が盛りで、まるで豪華なドレスで着飾った貴婦人たちが、その美しさを競っているようです。

この公園は、たくさんの人たちの憩いの場になっていて、私もお天気が良い日には、近くのスーパーでサンドイッチを作ってもらって、この公園のベンチで食べたりします。

おもしろいのは、ベンチが人で混んでいて、コンピューターを見ている人、お昼寝している人、本を読んでいる人、おしゃべりしている人、電話をしている人、私のように食べいている人、とさまざまで、席がないときもあるくらいです。

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ジョギングやウォーキングをしている人もいて、たくさんの人たちが集まってきます。なんとものどかな風景です。

この公園を訪れた今日は、お天気がよかったので、写真を撮りました。

みなさまにも薔薇の甘い香りまでお届けできればいいのですが‥

日本は梅雨で過ごしづらい季節だと思いますが、どうぞお元気でお過ごし下さい。

森野由み


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5月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらはまだ風が肌寒く感じられるものの、すっかり春も盛りになってきて、今はライラックや藤の花がひときわ甘い香りを漂わせています。

雨あがりの夕方に外を歩くと、しっとりとした空気に、甘い香りが寄り添うように漂ってきます。

赤みを帯びた黄金色に輝く太陽の光に飾られて、うっすらと桃色に色づいたパステルブルーの空が、地上まで下りてきて、ライラックの濃い藤色を包み込み、まるで印象派の絵の中にいるようです。

広い空を見上げて、この世の美しさを讃えたくなる一瞬です。

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでいらしたでしょうか?

ウィーンにいらした方々も、いらっしゃるのではないでしょうか?

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年中観光客でにぎわっているウィーンの街ですが、この時期は、ひときわたくさんの日本人の皆さまを見かけます。

楽しそうな顔、多少お疲れになった顔、さまざまな表情に出会います。

どんな旅をなさっているのかなあ、とよく思います。

日本からこちらへ戻ってくるときに、やはり、たくさんの旅行者の人たちと一緒になるのですが、ウィーンで降りるのかと思いきや、約11時間のフライトの後、さらに乗り換えて、パリやプラハなどに行かれる方たちも多いようです。

パック旅行だと、プラハからバスや電車でウィーンへ来て、それからハンガリーに行って‥というパターンも少なくないようですが、結構なハードスケジュールでしょうね。

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私も、ウィーンへのお客様をお迎えすると、やはりお見せしたいところがたくさんありすぎるので、ついいつもの癖で、ゆったりしてしまいそうになるのを、気を引き締めなおして、時計を気にしながら足早に動いてしまいます。

次に時間の決まった予定が入っていると、つい、「ここは少し早く歩いて頂いて‥」なんて言ってしまいます。そんなに急いでみても、ほんの数日間では全部ご案内することもできず、お帰りになった後で、ハードすぎたかなあ、疲れさせてしまったかな‥と反省します。

朝、昼間、夕方、夜と、いろんな表情をもつウィーン‥

その時々によって、違う表情に溢れる町並み‥

そんなウィーンの醍醐味は、恵まれた観光スポットというだけでなく、長い歴史の足跡が今も生き生きしているような街の雰囲気、そしてこの空気だと思います。

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カフェで一杯のコーヒーを味わうときに、馬車のひずめが古い佇まいの小道に響くのに耳を傾ける時、ウィーンの森から、黄昏に浮かび上がる街を見下ろすとき、快い音楽に身をゆだねる時、そんな時に、ウィーンの独特の魅力をたっぷり感じられるのではないかと思います。

急がせてしまった、お客様たち、ごめんなさいね。

もしかして味わい損なってしまったかもしれない、ウィーンの甘美な雰囲気を少しでも味わっていただければと思い、素敵な曲をご紹介します。

私の大好きなテノール、フリッツ・ヴンダーリヒが歌っています。

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そして、まだいらしたことのない方にもウィーンを思い浮かべて、楽しんで頂ければ幸いです。

カールマン作曲 オペレッタ「伯爵令嬢マリツァ」より

~ウィーンに黄昏がおとずれるころ~

この曲は、身分を隠してマリッツアの農園で管理人を務めるウィーン貴族のタシロが、友人カール男爵と再会し、懐かしい故郷、ウィーンを思い出しながら歌うものです。

森野由み


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4月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらは、いつもの年よりも1ヶ月も早い春の到来となり、あたりは鮮やかに花春色です。暖かい分、庭の草も早くに大きくなって、近所は芝刈り機の音でにぎやかです。

今月はイースターがやってきます。

日本ではあまり馴染みがないでしょうけれど、言葉だけは、皆様もおききになったことがあると思います。キリストの復活をお祝いするお祭りで、クリスマスにサンタクロースが欠かせないように、復活祭には「イースターうさぎちゃんが持ってくるたまご」がつきものです。うさぎは豊穣のシンボルだといいます。

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たまごは「新しいものを生む」というシンボルのようで、これからの発展、進歩、新たなる出発の願いが込められます。

このデューラーは、錬金術師であり、画家であり、数学者であり、と非常に才能に恵まれた人だったようですが、たとえば、初めて、いわゆる「自画像」を描いたり、自分の作品に名前をサインするのではなく、「ロゴマーク」を入れた最初の人でもありました。

なんにでも「初めて」があって、その「初めて」を行う人はすごいなあと、いつも思うのですが、デューラーは、動物の静止画も絵画のモチーフとして大きく取り上げました。その有名なひとつが、今日ご紹介する「野うさぎ」です。

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それまで絵画というと、宗教的な意味を帯びたものばかりで、その中に動物が登場するとなると、「誠実」「謙虚さ」などのシンボルとして描かれていました。
ですから、それまでに、こんな風に描かれた「野うさぎ」はいませんでした。

なぜ、デューラーが、野うさぎをモデルにしたのかと、研究家たちは盛んに資料を探しているようですが、

  • 1502年におこった洪水の際に救った野うさぎを、家につれて帰った。
  • 家で飼っていた猫がモデルだった。

という説があるようです。

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今から512年も前に描かれた、この野うさぎちゃん、実は10年おきに、3ヶ月の間しか出てきません。箱入りうさちゃんのようですが、今年は、その節目の年にあたり、このイースターにあうように出てきているので、今の期間見ることができます。

展示は6月29日までありますので、この期間、ウィーンにいらっしゃる方は、是非、ご覧になったらいかがでしょうか。

デューラーの野うさぎが特別な幸運を運んでくれるかもしれません。

残念ながら、こちらにいらっしゃれない皆様には、私が美術館で購入した、絵葉書「野うさぎ― Feldhase」が幸運を運んでくれますように!

FROHE OSTERN !!!

森野由み


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3月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

去年はこの時期、びっくりするほど雪が降った記憶がありますが、今年は全般的に穏やかで、雪も少ない冬となりました。

雪も少なかったし、ロシア人を連想させるような皮のコートを着るほど気温が低い日も少なかったけれど、ちょこっと降った雪では、初めての苦労もありました。

そのころは冷たいながらもお天気に恵まれ、積もった雪の表面が昼間の太陽でとけて、それが夕方の太陽が沈むころから凍りだし、その繰り返しという日が何日か続きました。

道の氷は日々「つるつる度」と「支配範囲」をまして、滑らないように道にまいてある砂利も、もはや氷の下にとじこめられ、歩くのに本当に苦労しました。

町中がスケートリンクになってしまったような状態で、幼稚園や学校もお休みになるほどでした。 いつもなら5分くらいでいける駅も、このときばかりは30分くらい余裕をみて出かけました。

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こんな事になる少し前に、車のチェーンならぬ、靴用のチェーンみたいなのが売っていたのを見たのですが、珍しいものもあるなあ、なんて眺めるだけで、購入はしませんでした。今年の冬に見つけたらぜひ買っておこうと思っています。

さて、その氷もすっかりなくなって、新聞にも「もう冬はおしまい。春の到来!」と、でかでか見出しが出ていたので、そうかそうかと、散歩にでることにしました。

とはいうものの、森の中はまだぬかるんでるかもしれないと思い、川のほうへ行くことにしました。春先の川といえば、雪解け水でにごった水が雄々しく流れるのを期待するのですが、今年は雪が少なかったので、川の水の量もたいしたことなく、いつもの迫力からは程遠く、残念な感じでした。

そう思いながら歩いていると、ところどころ、かじりとられるように削られている木があるのに気づきました。しかもどれも木の下のほうです。木によっては、もう倒れる寸前まで削られているのもあります‥ビーバー‥??!!

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「ビーバー」=「カナダ」と連想してしまうのですが、一度、テレビで、ウィーン北部の沼地が多いところに生息しているビーバーについての番組を見ました。

でもこの辺の川は結構流れが速いし、「ビーバーがいるらしい」とわかった今でも、こんなところにダムを作るのはどうなのかなあ・・と不思議に思います。

しかもそもそもどこに住んでいるのやら?それにどこからやってきたのか・・?
移住・・ですか??春に向けての新居??

ビーバーがダムをつくるのと春はなにか関係あるのでしょうか?

そんなことを考えながら家に着くころには、太陽の日差しも強まって、軽く汗ばむほどです。小鳥のさえずりも空高く響き、本当に春の到来を感じさせるお天気です。

みなさまがお住まいのところは、いかがでしょうか?

もう春色でしょうか???

森野由み


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2月のお便り

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親愛なる皆さま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらはあたり一面雪で真っ白です。日曜日なので、キーンとした冷たさの中に、さらに静けさが広がっています。

今日はすこしゆっくり起きたので、遅い朝食をとっています。

この付近の豊かな森で養蜂をする農家から購入した蜂蜜を、黒パンに塗って食べています。こちらのバターは無塩が主流で、なめらかな優しい味が、蜂蜜によく合います。

すこし薄めに淹れたウィーン焙煎のコーヒーを味わいながら、外の真っ白な雪景色を眺めていると、こんな贅沢はないなあ‥と思います。

先月末からこのHPでも少し宣伝させていただいていますが、去年、半年かけて
ウィ―ンのonepoint.fmから「ウィーンより愛をこめて ~ LOVE from ウィーン」というCDを出させていただきました。

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日本でリサイタルをさせていただくときには 「ウィーンからの贈り物」というタイトルをつけているのですが、これには、ウィーンという街が私にくれた贈り物が計り知れないほど大きく、その贈り物をみなさまにも少しでも差し上げたい‥という想いがこもっています。

その「ウィーンがくれた贈り物」の中に、シュランメルンとの出会いがありました。

シュランメルンといっても、首をかしげる方も多いのではないでしょうか?

原点は、楽しい歌や哀愁の漂う歌、踊りなど民族音楽を披露していた小編成の合奏団に遡るそうで、百年以上の歴史なのだそうです。

2台のヴァイオリンに、クラリネット、ハープとチェロでの構成で、その後ハープとチェロが、「コントラギター」という特殊なギターにとってかわり、それから今ではシュランメルンには欠かせないクノプフハルモニカが加わっていったそうです。

シュランメルンという名は、のちに、この道を極めた有名なシュランメル兄弟の名前から来ているのだそうです。

民間だけでなく、ウィーンのサロンや宮殿などでも盛んに演奏されたこの伝統民族音楽をJ・シュトラウスやブラームスなども大好きだったらしく、J・シュトラウスは「ウィーン音楽が聴きたかったら、シュランメルンに行かなきゃね」と言っていたとか‥

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今回のCDで演奏をお願いした、マラトさんと、ヒルシュフェルトさんもそんな伝統を継ぐ演奏家たち。 ウィーナーフィルハーモニーのシュランメルンに所属していたお二人ですが、その後、もっとレパートリーが自由なンシンフォニア・シュランメルンに籍を移して、活動してこられたそうです。

マラトさんとの最初の出会いは「歌い手を探しているから」ということで、内容はよくわからないものの、オーデションを受けたのがきっかけでした。

その後、すぐにマラトさんからコンサートのお話をいただいたのですが、日本育ちのこの私が、ウィーンのお客さまの前で、ウィーンの歌をご披露するなんて、とんでもなく緊張するお話で、それに、いわゆる伝統歌のウィーナーリートなんて、歌えるものもほとんどなく、当時(今でもですが)曲を揃えるのに苦労しました。

何とか数曲揃えた中には、みなさんもご存知の「ウィーンわが夢の街」というのを入れてありました。この曲はピアノやオーケストラなどの伴奏で、何度か歌ったこともあるので安心だと思ったのです。

コンサート当日、はらはらどきどき緊張しきった私の心配とはよそに、寝ていても演奏できるほどのマラトさんたちは実にのんびりしていて、自分たちそれぞれの確認以外、本番前のリハーサルもありません。特にこの有名な「ウィーンわが夢の街」なんて、なおさらいらないという感じでした。

そして本番‥いざ「ウィーンわが夢の街」の始まりです。前奏のテンポの遅さに少し戸惑いを感じつつ歌い始めました。

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この曲をピアノで歌うときには、「ワルツ」のテンポに乗るように軽快な感じで歌うのですが、このときばかりは、まるで、1匹のとどが陸の上で右往左往と体を動かすような感じで、ただもがいているだけのような感覚です。

しかもさびの部分の「Wien ,Wien nur Du allein‥」は、いつもなら氷の上に滑り出すように先へと進むところが、調子のいいワルツの楽しさとはぜんぜん違う音楽が後ろの楽団から聴こえてきます。

間奏の部分で、それとなく後ろを振り返ってみると、マラトさんは目をつむり、なんともいえない表情で弾いていました。奏でるとか誰かに聴かせるというものではなく、抱きかかえたハルモニカとご自分との魂の会話というのか、内に帰るというのか、時間や言葉を越えた空間がそこにはあったような気がしました。

そして、その瞬間、私がそれまでに感じてきた「ウィーン我が夢の街」とはまったく違う「ウィーン」を見た気がしました。

私の稚拙な表現力では、残念ながら的確にお伝えできないのですが、あの瞬間と、それをしみじみと聴き入るお客さまの様子。その中で歌わせていただいたことは、本当に言葉にはできない大きな贈り物でした。

マラトさんは去年80歳のお祝いをされ、そのお祝いのコンサートにいられたのも大きな幸せでした。またそのめでたい年に、初めてつくるCDを一緒に支えていただけたのも、またかけがえのない贈り物です。

録音の最中に、マラトさんから演奏上の示唆を受けたときに、こうもおっしゃいました。

“ウィーナーリートは、愛なんだよ”と。

森野由み


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1月のお便り

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あけましておめでとうございます。

親愛なる皆さま、お正月はいかがお過ごしになりましたか?

今年の目標、抱負などいろいろお考えになられたことと思います。

こちらでも新年明けて、今年の運勢、占いなど、あちらこちらで見受けます。

その中で、ちょっと面白い記事を見つけました。

教会だけでなく、絵画や彫刻でも目にするキリスト教には欠かせない「天使」の存在を信じるのがブームになっているのだそうです。

もともと、こちらには「Schutzengel」という言葉があって、「その人を守っている天使」というのを誰でももっているといいます。

たとえば、大事に至らずにすんだときなど、よく、“この「Schutzengel」が守ってくれた”というような言い方をします。

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もともと「ENGEL」(ドイツ語でエンゲル)はギリシャ語の「ANGELOS」から来ていて、これは「使いの者」という意味だそうです。創造主の神様からの依頼、任務を持って使わされてくるのだそうです。

ですが、「Schutzengel」には、何かを告げようとやってくるだけでなく、「その人の人生を共に歩む同伴者」という意味があるのだそうです。

旧約聖書の中では、天使は、神様を讃える役割のほかに、人を危険から守るという役割が与えられて、新約聖書では、重要な告知をし、最終的には人そのものを「神からの使いの者」とすべく働きかける役割を与えられているのだそうです。

ヨーロッパに「天使ブーム」が起きているのは、不安定な生活や、どこに行くかわからない政情から将来に不安を感じる人たちが増えているため、何かにすがりたい、何かを信じたいという動きが強いからなのだそうです。

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で、どうせなら、「古くからの言い伝えで、守ってくれるという天からの使い」がいいじゃないかということになり、この「ブーム」につながっているのだとか‥

いつか、ある公演で一緒になった歌い手さんが、“いつも天使って回りについてきてて、私たちを助けたくて、うずうずしているんだって‥ 一言、助けて!って言うといいらしいよ”と言っていたのを思い出します。

当然、その「ENGEL」の存在の有無が論争されるわけですが、この1年の始まりに思うのは、天に集まった光り輝くたくさんの天使たちが、共に歩み、いつも皆様を見守っていてくれるといいなあ、と‥

健康と深い恵みに満ちた1年となりますように!

森野由み

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