2012年ウィーン便り

2012年のウィーン便り

12月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?

里帰りしている九州では、昨日夜空に雪が舞っていました。

ウィーンに比べれば、気温も高いのに、なぜか、こちらの寒さの方が身にしみます。

家中暖房が良くきいているウィーンの家に比べて、日本は部屋の中が寒いせいか‥? 外に出るのでもウィーンだと、防寒第一で、お洒落は二の次といった感じがありますが、日本では町を歩く皆さんの薄着なのにびっくりします。

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皆さまご存じのように、日本では風邪が流行る冬や、花粉の季節の頃、マスクをするのが習慣ですが、ヨーロッパの方では、まずマスクをする事はありません。

冷たい空気からのどを守る為に、マフラーをぐるぐる巻きにします。私もマスクにはなんとなく不慣れで抵抗があったのですが、使うとやっぱり風邪を引く頻度が減るような気がして、このごろはすっかりマスク派になり、冬の日本からマスクの習慣のないヨーロッパへ帰ると逆に不便な気がします。

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早いもので、もう12月なんですね。

今年は皆様にとってどんな年となったのでしょうか?

日本でも街角では至るところクリスマスの楽しい雰囲気で一杯です。
このお手紙でも今までに何度か書いた記憶がありますが、ヨーロッパではこのクリスマスの時期は互いに幸せを願い合う気持ちが、何気ない生活の中でもひときわ強く満ちています。

それがたとえ、見知らぬ人であっても、その人の幸せを思う気持ちに違いはありません。相手の幸せを願うことが出来る幸せ。そしてそれがまた人から人へとつながっていくのですね。

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今年は、この後クリスマス曲を歌わせていただく予定にしているコンサートもあり、来てくださった方々に心を込めて、「メリークリスマス」をお届けしたいと思います。

そして受け止めて下さった方々が、また別な人に別な形でそのメリークリスマスを伝えてくださったらどんなに幸せでしょうか。

心安らかなクリスマスと、健康と幸せに満ちた新年をお迎えになられますよう
お祈りいたします。今年も一年ありがとうございました。

感謝をこめて

森野由み


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11月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらは急に気温が下がり、思いがけず雪が降りました。庭の紅葉した葉が積もった雪の白さに映えてとてもきれいです。

11月に入りました。12月の慌ただしさに向けて、そろそろ気を引き締めなおす時期でしょうか?

こちらではこの月の初め、11月1日に、歴史上の聖人たちをお祝いするカトリック教会では大事な日で祝日になっています。 続く2日は、亡くなった方たちを想う日で、「亡くなった魂が帰ってくる日」とされています。日本のお盆のようなものですね。

色とりどりの花で飾られた花輪や、緑のこけを土台にして、作られた十字架の形になったものなどがお墓に添えられます。そしてガラス燈の中に、何時間もかけてゆっくりと燃える大きなろうそくがともされ、あちらこちらで、たくさんの小さな光が瞬き、いつもは静寂で深い時が流れる墓地に、不思議な生命力が感じられます。

ドイツ後期ロマン派の最後の大作曲家といわれるリヒャルト・シュトラウスが、ヘルマン・フォン・ギルムという人の「ALLERSEELEN 万霊節」という詩に、作曲をしています。

薫り高い木犀をテーブルの上に飾り
最後の赤いアスターの花をこちらへ持ってきて
また愛について語ろう
あの5月のときのように

手を差し出しておくれ その手をそっと握るよ
誰かが見たって構わない
ほんの一度でいい 君の優しいまなざしでみておくれ
あの5月のときのように

今日はどの墓の上も花が咲き香りで満たされる
ああ一年に一度だけ死から放たれる日
私の胸へ戻っておいで 
あの5月のときのように

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今年は、私の周りでは、神様の元へと召される方々が多くて、ずいぶんと深い思いに沈むことがよくありました。今年の万霊節は、いつもとまた違った日になりそうです。

すべての方々のお参りをすることはできませんが、教会に行って、ろうそくをともそうと思っています。

森野由み


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10月のお便り

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親愛なる皆さま

お元気でいらっしゃいますか?

秋が本格的に、お得意の「お絵描き」をはじめたようです‥

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

今日は雲ひとつない晴天となりました。

眩しくてすんだ青空が広がり、ところどころ秋色に染まった木の葉が輝いています。どうして日に照らされるとこんなにきらきらとするのでしょうか・・?

今年の春先は、お天気が悪く、冷たい日が多かったため、オーストリアの「自慢の一つ」であるワインのできも心配されていましたが、量はいつもより少なくなるものの、厳しい条件の天候の中、生き抜いた葡萄はことのほかフルーティーなのだそうで、いつもの年より、良いワインになるととても期待されているようです。

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新酒が出る前に振舞われるのが、「シュトゥルム」といわれる飲み物で、みんなこれを楽しみにしています。ぶどうジュースとワインの間の過程の発酵が始まった状態のもので、にごりと自然な葡萄の甘みと弱い発泡性が特徴です。

これは本当に「期間限定の季節物」で、毎日発酵しているので、味がどんどん変わっていきます。「シュトゥルム」という名前は「嵐」という意味なのですが、口当たりがいいので、早いテンポで飲んでしまって、くらくらときやすいから、とか、飲みすぎると翌日腸の機嫌が悪くなるから、とか聞きますが、本当のところはどうなんでしょうか‥?

いずれにしても、新酒の出る前のこのシュトゥルムはまさに秋のプロローグといった感じで、来たる秋への楽しみが増す時期です。

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先日ウィーンの街を歩いていたら、焼き栗の屋台が出ていました。この焼き栗の香りも秋を感じさせるひとつです。

ウィーンではこの時期、一年に一度の「真夜中芸術鑑賞日」(博物館の長い夜)みたいなのがあって、普段は閉館時間である18時から夜中1時まで、博物館や美術館を訪問できるようになっています。共通チケットがあり、それで、いろんなところを見て回ることができます。

恐竜の骨がおいてあるような自然史博物館なんて、夜のほうがなんとなく雰囲気がアップしそうな感じですね。

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エジプト関係のもの‥ミイラとか、宝飾物‥を扱っているところには逆に寄りたくない感じもします。そういえば真夜中の博物館を舞台にしたコメディー映画がありましたっけ‥?

日中には働かない想像力が刺激をうけそうです。

この特別鑑賞日に続いて、文化と歴史に触れるべくウィーン市内や近郊の「文化的遺産」となっている修道院や、お城、教会などが、日ごろは見られないようなお部屋や、宝物まで無料公開します。

食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋‥いろいろありますが、みなさまは何か特別計画をお持ちでしょうか?

楽しい充実した秋の日々をお送りになりますように

森野由み


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9月のお便り

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親愛なる皆さま

お元気でいらっしゃいますか?

今日は日曜日です。

金曜からずっと降り続いていた雨がようやく上がって、地上は明るくなり、霧のような灰色の雲の向こうにうっすらとパステルブルーの空が広がっているのが見えます。

新鮮な空気を吸いに朝から森へ散歩に出てみることにしました。

庭におりてみると、今年はたくさんになったりんごが雨のしずくに濡れた芝生の上に落ちていました。 このりんごの食べごろは9月の下旬から10月くらいなのですが、今年はもう赤くなって甘酸っぱいおいしそうな香りがします。

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ところで、8月にここまで訪ねてきてくださった知人のFeriから“お庭の手入れはどうしてますか”と聞かれました。

手間がかかるのは芝刈りくらいですが、Feriさんに“りんごやさくらんぼの受粉もご自分でやっているのですか?”と質問されました。

きちんと毎年、実がなるように、“ミツバチを借りてきたり、刷毛のようなもので、受粉をうながす”ような作業が必要だとか‥

わたしは、近所の養蜂農家の蜂たちが遊びに来ているに違いないと思っていましたし、年によって実のなり具合が違うのも、りんごの木がその年のコンディションで、「今年はお休みにしておこう」なんて適当に休んでるのかとばっかり思っていました。・・・・なるほど、要は「受粉」なのですね!

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そうすると、今年は蜂たちがいつもより熱心だったのしょうか・・?
とにかくさくらんぼとりんごは今年は驚くほどの大収穫です。それに比べて去年大量になった杏は今年は全然だったので、蜂たちの気まぐれ・・?

森の中はまだ湿り気の感じられる空気が漂っていました‥

小川の水は長引いた雨にもかかわらずきらきらと清らかです。川底の石もくっきりと見えます。限りなく奏でられる水の流れる音が、なんて気持ちいいのでしょうか‥!

森からちょっと入った小径に面した民家のお庭では、ダリアやひまわり、薔薇、コスモスといった花々が豪華に咲き乱れています。

そのお隣は家庭菜園をしていて、野菜や果物で一杯でした!トマト、さやえんどう、かぼちゃにとうもろこし、パプリカ、洋ナシ、プルーン、りんご‥

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‥実のなったりんごの木はことのほか美しくて、赤や緑のりんごの実は木に輝く宝石のようです。 オーストリアの有名な画家クリムトが何度もりんごの木をモチーフとして取りあげたのもわかる気がします‥

気持ちのいい散歩の後は教会へと足を伸ばします。今日は一年に一回だけある「神父さんのホイリゲ」の日です。

以前に始めてこの「神父さんのホイリゲ」に訪れたときのお話を書きましたが、
今日も神父館の中はおいしそうなお菓子でいっぱいでした。

散歩の後で、すこしおなかも空いていたので、ロースト肉を薄切りにしたものと、「神父さんのワイン」を頼みました。

ゆっくりとホイリゲを楽しんだ後は、日曜版新聞を途中で買って、家に戻ります。

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日曜日はお店が閉まっているので、新聞の日曜版は、電柱などに袋が取り付けられていて、その中にはいっています。袋の上にお金を入れるミニ貯金箱みたいなものがついていて、その中にお金を入れて新聞を取り出します。このシステムは本当に不思議です‥

さて、どっしりとした日曜版新聞を抱えて、家に戻るとしましょうか。

帰ったらコーヒーでもいれて、久しぶりにベランダに座って、暖かなのんびりした日曜日の午後を過ごすつもりです。

そうやって、ベランダでのんびり過ごせるのも後何回できるでしょうか・・?
秋が、すぐそこまでやって来ていますから‥

皆さまは、どんな日曜日をおすごしになられるのでしょうか?

幸せな一時をお過ごしになられますように!

森野由み


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8月のお便り

親愛なる皆さま

お元気でいらっしゃいますか?

長い梅雨が明けて、本格的な夏に突入した「ふるさと九州」を後に、ウイーンに戻ってきました。

こちらも日差しがじりじりと強く、日中歩いていると、オーブンでじっくり焼かれているいい焦げ具合の「焼きぶた」が連想されて仕方ないのですが、湿気が少ない分、朝夕の風はひんやりと冷たく、こちらに戻ってからはよく眠れます。

今まで夏にはめったに日本に帰る機会がなく、ましてや梅雨の日本は久しぶりでした。

こちらにいるときは、私は自分で、「超」がつくほどの乾燥肌ではないかと思っていたのですが、今回、梅雨の日本に戻ってみて、案外そうでもないようだと思い直しました。

こちらでやっているように、日本に戻ってからも同じようにお手入れをしていたら、あっという間にティーンエイジャーのように、にきびができてしまいました! 整体の先生にその話をしたら、日本は湿気が多いから化粧水だけでもいいかもね、とアドヴァイスを受けました。

アジア女性のお肌の美しさはヨーロッパでも有名ですが、それも、この湿気によるところが大いにあるとかで、非常に納得しました・・・この高い湿度では、ずっと「お手入れミスト」の中にいるようなものですものね。日本女性ならず、男性もきめの細かいきれいなお肌をしているものだなあと、改めて感心しました・・・

久しぶりの夏のふるさと北九州市「小倉」では、これまた久しい「祇園まつり」を見ることができました! お祭りの日まで、夕方になると必ず、あちらこちらから太鼓を練習するのが聞こえてきます。お祭りの日には、どどん・どどんと太鼓をたたきながら、「山車」が引かれていきます。それと同時に「小倉名物、太鼓の祇園、太鼓うちだせ、元気だせ。 あ、やっさやれやれやれ・・・♪♪」と唄われます。

私も小さい頃、弟と一緒に、毎年山車をひきながら、大きい声で、唄うと言うよりは、叫んでいました‥たすきで、浴衣の袖をあげて、太鼓を打つ姿は、凛々しく本当に美しいものです。私は、太鼓を打つ機会はありませんでしたが、女性の太鼓たたきも見かけます。

今年は北九州市の黒埼というところで、「黒崎の山笠」というのも偶然見ることができました。本当に山のように高く、遠目でしたが、とても豪華絢爛な山笠でした。
たくさんの人たちでの長い行列だったのが印象的でした。

日本のお祭りは本当にいいものです。

無病息災を祈って始まったという祇園まつり‥夏になると病疫がはやったり、田畑の作物がやられてしまうことも多かったそうで、その原因であると考えられた悪い気を鎮め、追い払うというものだったそうですね。

時代は移り変わり、科学の発展により、その頃の心配も次第に薄くなり、もしかしたら、祇園祭りの起源を想うこともすくなくなったかもしれません。

私も子供のころ、祇園祭りは、単に楽しい行事だと思っていました。ただ、このときばかりは、日ごろよく知らない町内の人たちとの交わりが濃くなるので、子供心にも「親睦の場」でもあるのかとか、そんなことを思っていました。山車を引くときのお囃子があって、その一部を先ほど書きましたが、これは、実は何番もあって、その中で、「神社」が出てくるんですね。だから、このお祭りはなんだか神社とも深く関係があるらしい・・という思いが知らず知らずのうちに芽生えていました。

時代を経て受け継がれてきたお祭りは、私にとっては、大きな平和の象徴のような気がしてなりません。

この熱気、この溢れんばかりの活気と楽しい雰囲気、ひとつの目的の元に多くの人が結ばれるということ、喜びを共にできるという喜び‥

お祭りに繰り出すたくさんの浴衣姿の人たちをみて、願わくば、このすべての人たちが、人生を通していつも、こんな平和で幸せな時をおくれますように、とそっと祈りたい気持ちにさせてくれたのも、伝統の中で受け継がれてきた、たくさんの人たちの想いの力なのでしょうか?

みなさまがお元気で、夏をお過ごしになられますよう、祈りつつ‥どどん♪

森野由み


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7月のお便り

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親愛なる皆さま
お元気でいらっしゃいますか?

今年は、お天気がものすごく気まぐれで、庭の果物も生らないのではないかと、思っていましたが、予想とは反対に、今年はまたたくさんのサクランボがなりました。
なんだかいつもよりジューシーな感じで、毎日毎日、新鮮なサクランボを摘んでは食べました。サクランボは、とても健康に良いと聞いていたし、たくさん取れたので、食事代わりになっています。

私がウイーンへ来たばかりのころ、こんな話をききました。
知り合いの友人が、チロルの山に住んでいるお友達に誘われて、泊まりにいったときのことです。
アルプスの少女ハイジさながら、えっちらおっちらと山をあがって、かわいらしい山小屋につくころにはお腹もすっかり空いてしまったのだそうです。夕食を楽しみに待って、やっとのこと、お呼びがかかってお部屋へ行くと、その人が見たものは、テーブルの上に山のように積まれた栗‥“お夕飯は栗?”とわかった時には、ちょっと涙が出そうになったという話で、それを聞いたときにはずいぶんと笑いました。

ちょうど、秋の栗の収穫のころだったのですね‥

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こちらでの生活も長くなって、こうやって、サクランボが、昼食や夕食代わりになってくると、その話も、もう笑えなくなってしまいます。

この村に引っ越してきたばかりのころ、季節はちょうど、サクランボの時期でした。

ある日、ある女の人が家に尋ねてきて、“あのおいしそうなサクランボを分けてくれませんか”と言いました。自然の恵みなのだから、お好きなだけどうぞと、答えたのですが、その日、親切に、お礼にといって、手作りのケーキをわざわざ持ってきてくれました。そのケーキのおいしかったこと!

それ以来、私は日本からのお土産を届けたり、彼女はクリスマスにお菓子をくれたりと、仲良くなりました。今年は、サクランボのパイを届けてくれました。すごくおいしかったといったら、もう一度焼いて届けてくれました・・・・

日本は梅雨で、ずいぶんと雨が降っているようですね。
どうぞみなさまお体に気をつけて、この梅雨と、これから来る、夏を乗り切ってください。

みなさまのご健康をお祈りしています。

森野由み


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6月のお便り

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親愛なる皆さま
お元気でいらっしゃいますか?

こちらは、このところ移り変わりの激しい天候が続いていますが、この2~3日落ち着いたお天気です。

ウィーンに出たときに、あまりにお天気がよかったので、NEUSTIFT AM WALDE- ノイシュティフト・アム・ヴァルデ - というところに足を伸ばしました。

こうお天気がいいと、ふらりとホイリゲに寄りたくなります。

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ここNEUSTIFT AM WALDEは、山の斜面にワインのブドウ畑が広がっていて、散歩できるようになっています。そこから降りてくると、何軒ものホイリゲのお庭にでます。 お散歩の後は、おいしいワインとお食事です。たくさんのお客さんでお庭の席はわいわいと賑わっています。

飲み物は着いた席で、民族衣装を着て忙しく立ち働くブロンドのお姉さんに頼みます。お酒の強くない方にはぶどうジュースがあります。甘いので、のどが渇いているときには炭酸入りのミネラルウオーターで割ったものがお勧めです。

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飲み物が運ばれてきたら、今度は、建物の中にあるブッフェに食べ物をとりにいきます。好きなものを指差して頼んで、お勘定もその場で済ませます。
大きなトレーに、頼んだ食事を並べて、席へと戻ります。

青空の下で、緑に囲まれて、さわやかに吹き抜ける風を感じながら、乾杯!!!

ああ、この雰囲気 皆さまにも是非味わっていただきたいものです。

さて先月はドイツのパッサウというところに行ったお話を書きましたが、写真が間に合いませんでしたので、今回ご紹介させていただきます。

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とっても平凡ではありますが、電車の中で出てきたコーヒーです。このマグカップにコーヒーがたっぷりとつがれて出てきて、とても満足でした。

パッサウの市庁舎に出る一角に「芸術家の道」と名づけられた道があって、絵描きさんのアトリエや、いろんな工房が並んでいました。

この通りには、上からいろんな飾り物がブランコのように吊り下げられていて、とても楽しい通りでした。

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写真ついでに、先日、ウィーンのファヴォリーテンという区の芸術週間のオープニングにお招き頂いた時の様子 もご紹介いたします。

主催者側の希望で、日本の歌とマダムバタフライのアリアなどを歌わせていただきました。

日本の歌を外国でこんなにたくさん歌ったのは初めてでしたが、お客さまは色々なことを想像しながら聞いてくださったのでしょうか‥

とても喜んでくださった様子が、非常に印象的なコンサートとなりました。

それでは、皆さま、どうかお体に気をつけてお過ごしください。

7月にお目にかかれるのを楽しみにしております。

森野由み


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5月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

私はコンサートの関係で、パッサウというところへ行って来ました。

ウィーンの西駅というところから、3時間ほどでいける、オーストリアと、ドイツの国境にある市です。このごろ改装オープンしたばかりの西駅の中に入るのは、これが初めてです。駅の建物は、記念建造物として保護されることが決まり、駅のホールなどは昔の雰囲気を残しています。

しかし、地下や新しく建ったビルの中には所狭しと、色々なお店や食べ物屋さんが並んでいます。実はウィーンに来たとき、最初に住んだのが、この西駅からほんの3分ほどしか離れていない通りだったのですが、あのとき、西駅がこんなだったら、すこし違った人生を歩んだのではないかと思うほど、にぎやかです。

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さて、古い時代とモダンさが混沌とする西駅から、ICEというドイツ鉄道の特急に乗り込みました。このごろ、列車の切符もいろいろなサービスが出ていて、インターネット経由で購入すると、割引サービスがあり、一等車も気軽に乗れるようになりました。そこで、今回は一等車で行くことにしました。

席に座り、しばらくすると女性の車掌さんが、たくさん新聞を持ってきてくれました。

電車に乗ると、何かを読む癖がこの頃ついていて、しかもこんなにたくさん読むものがあるんだからと、最初はせっせと新聞を読んでいたのですが、途中で、はたと「せっかくだから景色を見なきゃ!」と、窓から外に目をやると、5月の新緑がなんと美しいこと!

耕された広大な土地。その向こうに広がる新緑を湛えた山々。ところどころに広がる黄金色の菜の花畑・・・・右や左ときょろきょろしているうちに、あっという間に最初の停車駅についてしまいました。

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最初の停車駅を過ぎてから、少しおなかがすいてきたので、おやつをいただこうかなあ、と思っていたら、丁度、車内サービスの人が、注文をとりに来てくれました。

コーヒーを頼むと、なみなみとコーヒーがつがれたマグカップが運ばれてきました。

思いがけず、たっぷりとコーヒーが飲めて、ますますいい気分になりました。
ドイツに行くときは飛行機を利用することが多かったので、こうやってドイツの特急にゆっくり乗ることも今まで、なかったので、改めて、この「列車の旅」が気に入ってしまいました。

おいしいコーヒーとおやつと、素敵な景色を楽しんでいるうちに、3時間弱の列車の旅はあっという間に過ぎ、パッサウに到着しました。

パッサウはドナウ、イン、イルツという3つの河川に挟まれた珍しい市です。
旧市街の中は、イタリアの町を思わせるような感じで、細くて、石畳の道沿いに、小さくて趣のあるアンティークのお店や、おしゃれなカフェやジェラートやさんが至る所にありました。中世の雰囲気があって、散歩しているとまるでイタリアにいるような気分でしたが、「おっとさすがドイツ」、ちゃんと、ドイツビールで有名なホーフブロイハウスの支店が幾つかありました!!

町の中心には、シュテファン大聖堂が聳え立っていて、世界一大きなパイプオルガンが置いてあるのだそうです。 パッサウに着いてからすぐ見に行ったのですが、なにやら催しものがあるとかで、入れてもらえず、見れずじまいでした・・・・

この辺りは、自然に恵まれていて、川沿いをたくさんの人が散歩したり、ジョギングしたりしています。なんとこのパッサウからウィーンまで、ドナウ沿いに、自転車でツーリングできるようになっているのだそうです。 いったい何日くらいかかるのでしょうか・・?

みなさまはどんな休暇をすごされましたか・・?

ところで、去年から、インターネットをご利用になれない方々へ、ニュースレターという形で、年に1度、お手紙を送らせていただいています。今年もまた、日本でのコンサートの予定と一緒に、お手紙を出させていただきました。ホームページの運営をサポートしてくれているウィーンネットコーポレーションさんが、手紙を可愛くしてくださいました。

みなさまにもご覧いただけたら幸いです(下のボタンをクリックするとPDFファイルのニュースレターがダウンロードできます)。



オーストリアは素晴らしくいいお天気です。

みなさまも「素晴らしく美しい5月」をお過ごしになられますように。

森野由み


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4月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらはあっという間に暖かくなり、春の淡い空気がパステルカラーの花色に染まっています。歩いていると、ほわっと、甘い香りにほほをなでられて、思わず立ち止まり、目を閉じると優しい香りにすっぽりと包まれて幸せな気持ちになります。
小鳥たちがいたるところで音楽を奏で、それが空高くこだましています。

この風景と雰囲気を言葉で語れる詩人なら、なんと表現するのでしょうか。

メーリケという詩人が「Er ist's」という春を詠った詩を書いています。
日本語に訳すのがなかなか難しい題なのですが、良く「春がここに」とか「春が来た」「春だ」というように訳されます。ドイツ語の感覚だと、もうちょっと個人的な親近感に溢れて、スピード感がある気がします。

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この詩に二人の作曲家が音楽の命を与えています。

春の淡い空気を体一杯に吸って生命の歓喜を現すような、シューマンの春。
ざあっと遠くから駆け抜けるさわやかな春風を思わせるような、ヴォルフの春。
どちらも素敵な歌曲です。

春を謳うドイツ歌曲は本当にたくさんあります。こんなに素敵な春が来れば、詩人ならこの甘い香りと青い空を詩で表現したいと思うでしょうし、作曲家なら、それを音楽にしたいと当然思うでしょうね‥

日本にも春の歌はたくさんありますね。 

朧月夜、春の小川、早春賦だとか、思わず口ずさんでしまう歌ですが、皆さんはどんな歌がお好きなのでしょうか‥?

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「霞か雲か‥」の歌詞で始まるこの唱歌も有名な春の歌ですが、これはもともと、ドイツの子供の歌だというのをご存知でしたでしょうか?

ドイツ語のタイトルは「Alle Vögel sind schon da」といって、私流の訳だと、「鳥たちがみんなやってきたよ」でしょうか。

‥鳥たちがみんな集まってきて、楽しく音楽を演奏するよ。いよいよ、春のお出ましだ‥という、元気にあふれる歌です。

一方、日本の「霞か雲か」は日本の春に合うように、歌詞がつけられています。
歌い方もふんわりした感じで、ドイツのオリジナルとはずいぶん違う感じですね。

一口に唱歌といってもその成り立ちを簡単に説明できるものではないようですが、その中には、外国からの歌を持ってきて、日本人の感覚にあうようなことばで歌詞をつけたものも結構あるようです。

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「線路はつづくよどこまでも」という歌ですが、これは、どうもアメリカ、テキサスにある、とある学校の校歌のようです。日本人の私のお友達が、アメリカ人の方と結婚されているのですが、そのご主人が何と、そこの学校のご出身なのだそうで、たまたま何かの機会に、「線路はつづくよ‥」を口ずさんだら、「えっ、それ、何、うちの校歌だよ‥」なんて話になったのだそうです。

もちろん線路とは関係ない内容ですが、どうやって日本へ来て「線路は続くよ」の歌になったのか‥ずいぶんみんなで、考えましたが、答えは出ないままです。

この前、ホイリゲ(ワイン農家が自分のところで作ったおいしいワインをだすお店)に行ったら、アコーデオンを抱えた音楽家が歌声をご披露していました。

わたしたちのテーブルに来て、いろんなものを歌ってくれたのですが、自分は実はポーランド出身。だから、1曲お国の曲を歌うよ。といって歌ってくれたのが、「森へ行きましょう、むすめさん‥」というあの有名な曲ではありませんか!! 

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内容も日本語の歌詞(といっても全部は覚えていませんが)とはちょっと違っているような感じで、むすめさんと狩人の恋の歌のようでした。
面白いですね。びっくりしました。

‥シューマンやヴォルフの「春」の歌曲からは、ずいぶん話が遠ざかってしまいました。

いずれにしても、優しい春。 ウイーンの森を散歩したり、並木道が広がるプラーターを散歩したり、そして、ホイリゲに座っておいしいワインを楽しむ‥ウイーン風だと、ここに必ず登場するのが「恋」なんですけど‥

そんな季節がやっと始まりました。

みなさまの健康と素敵な春に、乾杯!

森野由み


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3月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

日本もずいぶん寒いと聞いていますが、お風邪などひかれてないでしょうか?

3月がやってきました。

日本では3月というと、卒園、クラス替え、卒業など、ひとつの節目の月ですね。 ずいぶん長いこと、忘れていましたが、優しい春の陽が、小さな別れの寂しさの漂うような気持ちを余計に感じさせ、それでいて、新しい世界への希望のような、そんな入り混じった気持ちを、ふと思い出しました。

わたしがこちらに来てすぐ、一足早くウイーンに文化庁の研修生として派遣されていた先輩に「日本語が話せるドイツ語の先生を紹介してあげるよ」といわれて、授業についていきました。

・・・ソーニャさん!ブロンドでフランス人形のような顔をした笑顔のまぶしい素敵なかたでした。 先生のお話される日本語はなんと「関西弁」で、びっくり。

ウイーンに来て初めてこちらの方に会うのに、少々緊張していたわたしも、先生の「関西弁」に気も緩み、初めてにして、とても親しみを覚えたものでした。

ソーニャ先生に週に1度か2度ドイツ語を教えていただくのと並行して、もともと申し込んでいた語学学校に通う日もすぐに始まりました。どっさりと宿題や課題が出るし、質問したくても、どう言ったらいいかわからないこともあったので、そういうときには、ソーニャ先生のところで、予習復習を手伝っていただきました。

異文化への理解を深めるためや、意思疎通に欠かせない、語学の習得もさることながら、なにしろウイーンに来て初めて一人暮らしというのをしたので、最初のうちは「普通の生活を送る」というのが、結構大変でした。

キッチンやお風呂などの勝手も日本とは全然違うし、自分のことながら世話が焼けるというのか、3度の食事も、朝を食べながら、お昼のことを考え、お昼の時は夜を考え、夜のときは、次の朝のことを考えと、寝ても覚めても、食事のことばかり考えていた時期があります。

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その上、スーパーなどは夜は18時くらいでしまってしまい、土曜の正午から月曜日の朝まではお休みだったので、うっかりしていると買い物しそこなって、「食べるものがなーい!」なんてことも良くありました。

そんなことを繰り返しているうちに、ある日どっと疲れてしまった日がありました。

その日は、ソーニャ先生との約束の日だったので、のこのこと出かけました。普通にしていたつもりですが、先生に「どうしたの、元気ないね」といわれ、「何を食べたらいいかわからなくて」と答えると、「そういうことあるね」と、冷蔵庫から、保存がきく酢漬けの魚などを出して、見せてくれました。たらのフレークの塩漬けになったのもあって、お寿司に使うといいなどと、教えてくださいました。

また「お好み焼きは手軽ね」と、ご自分が日本にいるときに集めたレシピアルバムを見せてくださったのが特に印象的でした。レシピ雑誌などをウイーンに持ってくるという頭はぜんぜんなかったのですが、必要なものはこうして切り取って、取っておくと便利なんだなあと思いました。

その日は、わたしが家に帰ってすぐ食べられるように、いろいろなものを持たせてくださり、オリジナリティーあふれるレシピ本も貸して下さいました。

オーストリアのお菓子の焼き方をドイツ語で教えてもらったり、祝日や習慣などについてもたくさん教えていただりしました。

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ある日、買い物をしながら、ぷらぷらと家に帰っていると、向こうから犬を連れた人とすれ違い、あまりに犬が可愛いかったので、少し遊んでから家に帰ってしばらくすると、腕のところを変な虫にかまれているのを発見しました!

オーストリア特有の「のみ」で、ツェッケンといわれるのもので、よく見ると、頭部は皮膚の中で、体と足の部分だけが外に出て、足がもそもそ動いているではありませんか!!!!!! その気持ちの悪いことといったら!!! 気絶しそうなほどでした!!!運が悪いと、日本脳炎のような病にかかると本では読んでいましたが、そんなことより、気持ちの悪いのが先で、気が転倒して、真っ先に電話して相談したのは、先生でした。

「気持ち悪いでしょう。お隣のが病院だから、連れて行ってあげるよ。すぐ来ていいよ」と言ってくださったので、一目散で出かけました。先生の落ち着いた感じと、さして珍しいことでもないようなお話に、わたしのパニック状態は少しおさまりました。

いざというときのために保管しているというワクチンを冷蔵庫から出してくださって、それを持って病院の先生のところに行き、手当てしてもらいました。

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わたしは何かと手のかかる子だったかもしれません・・・

たくさんの友達も連れて行って、みんな、ドイツ語を教えてもらいました。
日常会話だけでなく、歌曲の詩の解釈だったり、英語や、ロシア語を教えていただいたこともありました。

行くと必ずおいしいお菓子が焼いてあり、帰るときにはみんなにたくさん持たせてくださいました。

長いこと、先生はウイーン人だと思っていたのですが、後になって美しい湖水地方といわれるザルツカンマーグートの近くのご出身だと知りました。

サウンドオブミュージックで舞台になったところというと、想像しやすいでしょうか? 日本に比べれば、ウイーンでさえ、空がずっと広いと思うのですが、この湖水地方の方は、まさに大自然の恵みを体いっぱいに味わえるところです。

広い広い空、凛とそびえる山々、清らかで豊かな水をたたえる大きな湖、色とりどりの可愛らしい花が咲いた野原、そして新鮮な空気。

「ウイーンにいると時々胸が詰まるよ」と時折つぶやくようにおっしゃっていた、ソーニャ先生。 やはり、あのような大自然の中でお育ちになったからでしょうか・・・

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今月の終わりの予定で、先生は、ウイーンを離れて、生まれ育った田舎にお帰りになるのだそうです。そう聞いたときは、しばらく寂しい気持ちになって、先生がいよいよ家から荷物を運び出して、「さ、いよいよですね」といってドアを出て行かれる夢まで見てしまったほどでした。

でも当の先生の方は、故郷に帰ると決められてから、きらきらした笑顔がさらにパワーアップしたような感じです。喜びと生きる力が体中から発散されている先生を見ていると、お別れの寂しさも薄くなってきて、いつ先生を訪ねていこうかと、楽しみに考えています。

実は一度、故郷のご実家にいらっしゃる先生を訪ねて遊びに行ったこともあります。とても素敵な町でした。作曲家のマーラーが毎年夏のヴァカンスを過ごしたというアッター湖が近くにあって、そこへお弁当を作ってボート漕ぎに連れて行ってくださいました。一緒にお庭にできているブルーベリーを摘んだり、お料理を作ったりもしましたっけ・・

先生の引越しは、わたしにとっては、ひとつの大きな章が終わりを告げるような気がしています。

今まで、いつもいつも温かい大きな愛で包んでくださってありがとうございました。

できることなら、過去のその時々に戻って、もっともっと深くお礼をいいたいほどです。

そして、新しい章も楽しい思い出で綴ることができますように・・・・・

森野由み

  • 由みさま
     暖かな春のお便りをありがとうございます。今年も1月2月と過ぎ、3月。今日は3月11日、東日本大震災から1年が過ぎました。昨年11月のチャリティーコンサートでの皆の祈りが、ハンドベルの音色と共に心をこめた由みさんの歌声が今ここに蘇りました。また、私にとりましても特別な思いのあるコンサートでした。11月26日開催される1週間前、アメリカ在住の日本の友を病気で亡くしました。64年の人生でした。アメリカ人のご主人のもとへ嫁ぎ、30年以上の時をアメリカで過ごした彼女は北九州市小倉北区の出身でキリスト教徒の方でした。この26日のコンサートの日は、彼女のお別れ会(メモリアル)がアメリカでおこなわれており、私は、10枚のチケットを予約し、彼女を偲ぶ身内やお友達を9人迎え、残りの1枚は彼女の席を用意しました。1番前に1席、皆様には空席に見えたかもしれませんが、彼女へのVIP席でした。私は、その席にずっと語りかけながらコンサートの時を共有しました。彼女の故郷で、この大切な時を、由みさんが素敵なコンサートで見送ってくださった。感謝の気持ちでいっぱいです。早くこのときのお礼をと思いながら、コンサートの後、お電話を頂きましたときも、そういったお客様と食事の最中で大変失礼をいたしました。
    次、北九州でお会いできます時には、もっときちんとお礼の形でお会いしたいと思っております。本当にありがとうございました。益々のご活躍に胸おどる思いで応援しております。 -- 原 由美子 2012-03-11 (日) 20:28:17

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2月のお便り

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親愛なる皆さま

いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

こちらはものすごい寒波で、わたしの住んでいる田舎は、お昼間でも-10℃にしかなりません。「雪が降るのはまだ暖かいんだよ」なんて、こちらに来てから耳にしたことがありますが、この寒波でその言葉が身にしみてよくわかります。

用があって出かけても、またまっしぐらに家に戻り、よほどの事がない限り、夜は家にいるようにしています。

そうして、家で過ごす長い夜の時間を、もっぱら「時の旅」に出て、楽しんでいます。 

2年前のショパンイヤーの年に、北九州市芸術劇場であった、ワンナイト・ショパンというコンサートにご招待いただいたことがあります。公演の1部では、作家の平野啓一郎さんという方のショパンについてのトークコーナーがあり、とても興味深く聞きました。ピアノ曲をたくさん書いたショパンについては、音楽史で学んだほどの知識プラスアルファしかなく、その人生について、深く触れたりすることはありませんでした。トークのときに、平野さんがショパンを主人公にして書いた「葬送」という本を出していると聞いたので、早速本屋へと向かったのですが、すでに売り切れで、取り寄せを待つ時間もなく、そのままとなりました。

去年の冬に日本へ帰ったときに、やっと、この「葬送」を購入して、近頃読んでいます。会ったことはないけれど、心に秘めた情熱とは逆に、折れてしまいそうなほど繊細で、病弱な印象のショパンと、男装して社交界に登場し、大胆に生きたジョルジョ・サンドとのやり取りにはらはらしたり、ふつふつと沸き立つほど情熱的な感じの画家のドラクロワの芸術への想い‥まだ読み始めたばかりなのですが、ほかにもたくさんの人たちが登場してきて、まるで自分もその輪の中に入ったような気がします。 

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ウイーン国立図書館というところは、天井画の美しい、まれに見る優雅な図書館として、ウイーンみどころのひとつになっているのですが、気が遠くなるほど膨大な数の蔵書のほかに、たくさんの作曲家たちの手書きのオリジナルの楽譜や手紙なども収めてあります。

便利な世の中になったので、10ユーロ(今は大体100円くらでしょうか)払って図書館の年会員となると、そういう資料をオンラインで見ることができます。 中には会員にならなくても閲覧できる資料もあります。

その国立図書館のオンラインで、ショパンについての資料があるか探していたら、なぜか、シューベルトに行き当たり、シューベルトが友人に宛てた手紙を読みました。
 
自分のおかれた環境の中で、繊細な作曲家が、芸術家としてだけでなく、「人」として生きていくがために、何を感じ、何を考えていたのか・・それは現代においてもよく理解でき、共通するものすらあるように思え・・・というよりは、実は何も変わっていないのではないかという気がして、不思議な気さえしました。

その頃と今では、生活自体がぜんぜん違いますが、意外と「人」が「人」として考えることは根底のところ、あまり変わっていないのかもしれません。
手紙がFAXとなり、それがメールとなっただけで・・・・

シューベルトの手紙の中には、ドイツの出版社宛に、自分の作品を楽譜として、出版して欲しいという願いが書かれたのももあり、こうして直筆の手紙を読むと、一心に紙に向かうシューベルトの息づかいとペンを走らせる音が聞こえてくるような気がして、心痛い思いをしました。

奇しくも1800年代前半を生きたシューベルトとショパン。 ウイーンで生まれ、その短い生涯をウイーンで遂げたシューベルト、かたや故郷ポーランドを離れ、パリでその大半を過ごし、これまた短い生涯だったショパン・・・できればあわせてあげたかったなあなんて思ってしまいました。

みなさまは「Midnight in Paris」という映画をご存知でしょうか?

‥舞台はパリ。とある教会の鐘が、真夜中の12時を知らせると、不思議な出会いへの扉が開かれます‥

これも、つい最近DVDで見た映画で、時空を超えて繰り広げられる芸術家たちの交流がとても面白かったです。

‥さてそろそろ、ショパンやドラクロワに会いにいく時間が近づいてきました。

みなさまはどんな冬の夜をお過ごしになられるのでしょうか?

お風邪など引かれませんように!

森野由み


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1月のお便り

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親愛なる皆さま

どのようなお正月をお過ごしになられたでしょうか?

こちらでは、不運を追い払う花火が、にぎやかに空高く放たれ、2012年1月1日を迎えました。お正月といっても、こちらでは1月1日だけをお祝いし、2日からはごく普通の生活に戻ります。

クリスマスが終わると、いままで、クリスマスグッズを売っていた屋台には、一転して、「新年に幸運を運ぶシンボル」がずらりと並びます。

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豚や煙突掃除の人形の横に、てんとう虫や、四葉のクローバー、蹄鉄の形をしたクッキーなども並びます。それぞれが幸運のシンボルで、

  • ぶた=幸せと富
  • 蹄鉄=力強いエネルギーと強い精神力
  • 煙突掃除=家の中の幸福
  • てんとう虫=イエスキリストの母マリアさまの遣い 子供を守り、病気を治す

といった具合です。

また、このほかに「小さな鉛の塊」も売っています。

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この鉛は一種の占いのようなもので、スプーンの上に鉛をのせて、下から火をあててとかし、とけたところで、一気に水の中に流し込んで、冷やします。そうやって現れた形が何に見えるかで、その年の運を占うというものです。

まだこちらに来て間もないころ、先輩が、その鉛占いをしたら、龍が出てきて、その年はものすごくいい年だった、と話してくれたので、それは縁起がいいと、早速試した記憶があります。

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それから毎年、何年か鉛占いをしましたが、龍は残念ながら現れることなく、どちらかというと、「これ、いったいなんだろう‥」というような形のものが多かったように思います。

何の形か、解釈できなくても、縁起物ですから、取っておくのですが、たまっていくばかりで、むげに捨てるわけにもいかず、結局そのうち、鉛占いはやめました。

今年は、マジパンで作られた「ぶたちゃん」を頂きました。

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このぶたちゃんは最もよく見るラッキーシンボルなのですが、これを食べるものと知ったのは、実は、今年、初めてです。ずいぶん昔にも友達から、マジパンのぶたちゃんをもらったことがあるのですが、飾るものだと思って、今でもずっと飾ってあります。

今年やってきた、新しい「ぶたちゃん」の横に並ぶと、長く親しんできた古株はずいぶん色が変色していて、不憫に思えてくるほどです。

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その分、新米ちゃんはずいぶんと生々しい感じがしました。先輩ぶたちゃんの二の舞を踏ませないためにも、新米ちゃんは、さっさと食して、この機会にありがたく運を取り入れようと、入れ物の中から出したまでは良かったのですが‥

どこから食べ始めたらいいかで、ずいぶん悩みました。一口で食べるにはあまりにも大きいし、頭からかぶりつくのも、かといって、ちぎるのもなんだし、ナイフで切るにしても、どう切り目をいれるか‥

結局見るに見かねた親友が、思い切ってたて半分に切ってくれ、無事めでたく運を取りいれることができたのではありますが、たて半分に切られたぶたちゃんも少々グロテスクでありました‥

みなさまは、どのラッキーシンボルがお気に召されるのでしょうか‥?

新年が健康と幸せで満ち溢れますように

心をこめて

森野由み

  • 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。さて、1月18日は私の誕生日でついに20代最後の歳になってしまいました。そして誕生日の一週間くらい前には知り合いの人からお見合い話も出ましたが、私は30代のうちに留学をしたり、オーディションをたくさん受けたりとやりたいことがたくさんあるため、残念だと思いながらも断りました。ところで、先日は東京も雪が降り、私の住んでいる群馬も少し積もりましたよ。ウィーンは1月が一番寒い時期ですよね?まだまだ寒い日が続くと思いますが、お互いに体調を崩さないように気を付けましょうね。今年も充実した年になりそうですね。月一回の便りも楽しく読ませていただきますね。 -- モモ 2012-01-23 (月) 11:51:17
  • モモさん!
    お誕生日おめでとうございます!!
    素敵な未来が開けますように!! -- もりのゆみ 2012-01-25 (水) 05:13:37

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